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好調ホーネッツを支える若きPGクリス・ポール。 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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posted2006/03/09 00:00

 今シーズンのNBAで最も熱いのはオクラホマシティではないだろうか。開幕前にハリケーン・カトリーナがニューオリンズを襲ったあと、NBAがニューオリンズ・ホーネッツの暫定ホームシティに定めた地である。

 ホーネッツが本拠地とするフォードセンターにはほぼ毎試合のように2万人近い観客が詰めかけ、突然やってきたNBAチームに熱い声援を送っている。

 オクラホマシティの人々の熱い声援に押されて、ホーネッツも好調だ。昨シーズンはリーグ全体で下から2番目の成績(18勝64敗)と低迷していたのだが、今季は29勝23敗の好成績でオールスターを迎えている。特に年明けからオールスターまでは17勝6敗と大躍進、この1カ月半だけで昨シーズンとほぼ同じだけの勝ち星をあげたことになる。

 そんなホーネッツ躍進の立役者は、新人ポイントガードのクリス・ポールだ。新人らしからぬ落ち着いたプレーで開幕直後からチームのリーダーとなり、ベテラン選手たちを引っ張ってきた。2月5日までの週にウェスタン・カンファレンスの週間最優秀選手に選ばれ、新人王の最有力候補でもある。

 ポールの名前を最初に聞いたのは2002年秋、高校生の彼が61点をあげたというニュースだった。といっても、単に高校生選手が活躍したというニュースではなかった。数日前、親友のように仲がよかった祖父が強盗殺人で殺されたポールが、葬式の翌日に祖父のために祖父の年齢と同じだけの得点(61)をあげたというニュースだった。心臓の強い選手だと思った覚えがある。

 あれから3年余、ポールは自分より大きく経験がある選手相手に、まったく動ぜずに向かっていくNBA選手となった。「サイズが小さい選手にとって、ハートと意思の強さが大事」とポールは言う。

 2月17―19日のNBAオールスター・ウィークエンド、ポールは本戦のメンバーからは漏れたものの、ルーキー・チャレンジとスキルズ・コンペティションに出場した。初めてのNBAオールスターについて聞かれ、彼は「何よりもすばらしいのは、両親や兄もいっしょに経験できているということ」と答えた。

 今も昔も、彼を支えているのは家族の愛情である。

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