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経済危機を受けてF1はこれだけ変わる。 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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posted2009/01/29 00:00

 フェラーリが先陣を切って12日にニューマシンを発表すると、次々にビッグチームが続き、'09年シーズンがいよいよ動き始めた。

 今年は10年ぶりの「フルモデルチェンジ・イヤー」といってよい。国際経済情勢の悪化を受けてFIAおよびFOTA(チーム組織)がコストカットの取り組みに合意し、その方針にのっとって総合的な面でのコスト削減策が導入されることになったのだ。

 空力規制、スリックタイヤ復活、KERS(運動エネルギー回生システム)の任意採用化、この“3点セット”が目新しい変更だ。エンジンを年間20基限定にし、最高回転数を下げて3レース使用を義務付けるなどのルールも取り入れられ、チーム工場内での風洞実験の制限なども実施される。

 こうした動きから'09年シーズンはF1新時代への第一歩と言えるが、昨年のように2強チームが再びリードしていけるかというと必ずしもそうとは言い切れないだろう。いったんリセットされた状態から、どのチームがうまく仕上げてくるのか。

 大幅なレギュレーション変更が採用されるため、ビッグチームは'08年中から先行開発に着手しており、この1月中旬にマシンを完成させてからまる2カ月以上かけて実走テストを重ねていく予定だ。

 もちろんドライバーたちも“3点セット”採用によって、ドライビングスタイルを変えなくてはいけないと認識しているようだ。スリックタイヤに変わり、ダウンフォースは減るので、コーナリングテクニックを考え直す必要がある。端的に言えばマシンのフロントは入り口で流れやすくなり、リアは横滑りしやすくなってオーバーステア傾向になる。さらにニュータイヤと周回を重ねたタイヤではグリップ特性の変化度合いが大きくなるから、予選と決勝レースでも修正が求められるだろう。

 しかもシーズン中はマシンテストが禁止されるので、開幕までのニューマシン熟成が非常に大きな意味を持ってくる。今季は開幕戦のオーストラリアGPが最近では異例なほどスタートがずらされて昨年より半月も遅い3月29日となっている。この時間がチーム、ドライバーにとって勝負の鍵になる。

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