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かつての教え子が明かす監督オシムの「悩み」。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byToshiya Kondo

posted2007/03/08 00:00

かつての教え子が明かす監督オシムの「悩み」。<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

 1月中旬、オーストリアの自宅に帰省していたオシム監督が、グラットコルン対シュトルム・グラーツ・アマチュアというローカルな試合に姿を現した。シュトルムで監督をしていた頃の教え子が、両クラブに大勢いたからだろう。

 現在は教師をしながら2部のグラットコルンでプレーするノイキルヒナーもそのひとりだ。「ユースから昇格したときはFWだったんだけどね。オシムにDFにコンバートされたんだ」と名将との出会いを記憶している。

 試合前、ノイキルヒナーは、かつての指揮官との再会を楽しんだ。

 「シュトルムではオシムとともに3年連続でチャンピオンズリーグに出場したから、彼とは特別な絆があるんだ」

 互いの近況を報告するなかで、話題は日本代表に及んだ。

 「不満っていう様子ではないんだけど、『代表では3、4日しか練習できない。時間がないなかで強化するのは難しい』と言ってたね」

 時間は、どの代表監督にとっても頭の痛い問題だろう。特にオシムのように組織力を売りにする監督にとっては──。

 「シュトルムの場合、チームが完成するまで4年間かかった」とノイキルヒナーは言う。クラブで4年かかるなら、代表ではどれだけの年数が必要になるのか。

 ただ、ノイキルヒナーは、時計の針を進めるためのヒントも教えてくれた。

 「オシムの最大の長所は、試合で犯したミスを、次の練習で修正できることだ。紅白戦で同じシチュエーションを作って、『なぜここに立っていた?』『なぜその選択をした?』というように。ピッチ上での授業が、選手を成長させるんだ」

 試合直後の練習──。オシムの特性を考えると、それが今の代表に一番必要なことかもしれない。

 従来は水曜日に試合をして、そのまま解散というパターンが多かった。だが、これだとオシムの考えが浸透しづらい。試合後1日でもいいから、選手を拘束して練習にあててはどうだろうか。2月中旬の千葉合宿で、オシムが4日間で4試合というハードな日程を組んだのも、試合で得た課題をすぐに修正したかったからだろう。オシムを悩ます「時間」問題を解決するためには、ちょっとした工夫が必要だ。

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