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欧州最終テストで見た本命、対抗の仕上り具合。 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2007/03/08 00:00

欧州最終テストで見た本命、対抗の仕上り具合。<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

 開幕前にヨーロッパで行われる最後の合同テストを見るために、スペインのバルセロナに飛んだ。日本だけでなくこちらも暖冬気象で気温は20度まで上がり、路面温度もタイヤが有効に作動する25度に達した。この全11チームが参加した初合同テスト、開幕1カ月前でのパフォーマンスをチェックするには、絶好のコンディションとなった。

 プロ野球にたとえれば、自主トレを終えてオープン戦に入った段階だ。いくつかのチームが実戦を想定したメニューを組み、予選から決勝にのっとった流れで走行を行っていた。

 一番印象鮮やかに目に飛び込んできたのは、2年目のBMW。タイムもさることながら、走りが常に安定していてコーナーでの加速力が抜群であった。今年から全車同一となったブリヂストン・タイヤを把握し、マシン・セットアップをそれに合わせて速さをアピール。若いR・クビサには荒さがあるものの、タイム向上は自信に繋がる。マークしておいたほうがいい存在に見えた。

 だがやはり気になるのはマクラーレン・メルセデスのF・アロンソ。このオフの間、'07年の“本命”とされてきたからだ。現場で見た限りでは彼本来の力のまだ80%ぐらい。ルノー時代と明らかに走りのスタイルを変えていたのは予想されたことだが、一番の変化はコーナー立ち上がりでTCS(駆動力制御システム)を多用し、積極的に自分からニューマシンと新ブリヂストン・タイヤにあわせようとしていたこと。彼は今まで、G・フィジケラやJ・トゥルーリがセットアップの方向性をつくり、それに対して好みの味付けをしてきた。しかし今年からは違う。マクラーレンMP4−22を自分自身の手で“調教”していかなければならない。チームメイトは新人L・ハミルトンだからだ。このテスト最終日に全チーム最多となる周回を重ねたのは速さよりセットアップに重点を置き、また課題とされる信頼性確認にチームが励んでいたと見るべきだ。この段階でアロンソは新体制の基礎固めを優先していた。

 この“本命”の最大の対抗軸、フェラーリのK・ライコネンも同じ80%レベルでクールにセットアップをこなしていた。

この2人が開幕までにあと何%アップしてくるか、最大の注目点はそこだ。

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