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女子ホッケーのエース千葉がオランダ移籍。 

text by

藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

PROFILE

posted2007/07/12 00:00

 女子ホッケー日本代表のFW千葉香織(ソニー一宮)が、オランダ・リーグのロッテルダムでプレーすることになった。期間は今年8月から来年5月までの10カ月。女子ホッケーではこれまで3カ月程度の海外移籍はあったが、フルシーズンの本格参戦は千葉が初めて。オランダは世界ランキング1位の強国で、日本のエースが世界最高峰の舞台でどんな成績を残すか、来年の北京五輪を占う意味でも注目される。

 日本の女子ホッケーは前回のアテネ五輪に初めて出場したが、2勝(4敗)するのが精一杯で、8位に終わった。もちろん8位でも十分立派なのだが、マスコミ的に話題になったのはむしろ「資金難」の方だった。合宿や海外遠征をする費用がなく、大会前にはテレビのバラエティー番組などで大々的に取り上げられた。おかげで全国から寄付金が集まり、マクドナルド社が公式スポンサーに決定。マイナースポーツの悲哀を味わわされていた選手たちは、一躍日本選手団のヒロインとなった。それから3年、チームは着実に力をつけ、昨年9月〜10月のW杯では堂々5位に入るまで進化。12月のドーハ・アジア大会でも中国に次ぐ2位で見事に北京五輪切符を獲得した。

 日本の持ち味は「堅守速攻」で、まず守りを固め、豊富な運動量で相手のボールを奪って逆襲に転じるのが勝利の方程式だ。しかし、この方程式はアジアでは通用しても、身体の大きな欧米勢には通用しなかった。得点源となる千葉の身長は157cm。スピードとテクニックでアジア大会では得点王になったが、どうすれば屈強な相手DFを突破できるかは常に切実な問題で、今回のオランダ修行の目的もそこにある。

 前回ほどではないにしろ、ホッケー界の財政が苦しいことにかわりはない。移籍費用は所属先のソニー一宮が負担してくれた。そんな周囲の温かいバックアップがあって実現した移籍だけに、千葉本人も「レベルの高い中でプレーすることで、自信やテクニックを身に付けたい」と意欲的だ。五輪に出場することが目標だったアテネの時とは違い、今回のチームは本気で金メダルを狙っている。「堅守速攻」から「堅守強攻」へ。来年5月に千葉がどんな土産を手に帰国するか、今から楽しみだ。

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