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リーグをひっかき回した夏のクリッパーズ台風。 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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posted2008/10/09 00:00

 率直に言って、クリッパーズはこれまで主役になることがないチームだった。地元ロサンゼルスではレイカーズの陰に隠れ、節約家のオーナーの方針で選手のサラリーは抑えられ、育てた選手にも逃げられるチームだったのだ。

 '01-'02シーズンから大黒柱としてチームを支えてきたエルトン・ブランドは、そんなチームのイメージを何とか変えようとしてきた。この夏にフリーエージェント(FA)となった時もクリッパーズを去年夏のボストン・セルティックスにするという大胆な夢を持っていた。セルティックスは1年前にレイ・アレンとケビン・ガーネットを獲得。長年チームを支えていたポール・ピアスを加えた3人のスターを中心としたチームで昨季優勝を果たした。低迷チームでも一気に優勝に手が届くところまで行けるという、再建のお手本のような例だったのだ。

 しかし、クリッパーズはセルティックスにはなりきれなかった。契約交渉の過程でブランドを怒らせてしまい、肝心の彼との再契約に失敗してしまったのだ。結局ブランドはクリッパーズを去り、フィラデルフィア・76ersと契約した。

 取り残されたのがブランドとチームメイトになるつもりだったバロン・デイビス(元ゴールデンステイト・ウォリアーズ)だ。ロサンゼルス出身の彼は、結局、ブランドが去ってもクリッパーズと契約し、クリッパーズはブランドのチームからデイビスのチームへと変身した。

 クリッパーズのもう1人のFA、コーリー・マゲティは、チーム側に再契約の意思がなく、デイビスと入れ替わるようにウォリアーズに移籍した。

 ブランドとマゲティが抜けてサラリー枠に余裕ができたクリッパーズは、その後、デンバー・ナゲッツとのトレードでマーカス・キャンビーを獲得。チームのサラリー総額を減らしたいナゲッツの足元を見た破格のトレードだった。

 夏が過ぎ、クリッパーズ台風の後に残されたのは、夏の前より強くなった76ersと、戦力ダウンのナゲッツと、司令塔を失い、やや戦力ダウンのウォリアーズ。そして当のクリッパーズは、夏の間は主役となってリーグをかき回したものの、この先どこに進もうとしているのかが見えない。

 NBA開幕まで1カ月を切った。

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