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秋競馬に波乱を呼ぶか?
栗東・調教コースの大改修。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byKeiji Ishikawa

posted2009/09/15 06:00

ブエナビスタを始めとする春競馬を盛り上げた馬達の調教コース改修。効果はどう出るか

ブエナビスタを始めとする春競馬を盛り上げた馬達の調教コース改修。効果はどう出るか

 札幌、新潟、福島、小倉の、いわゆるローカルで競馬が開催される夏場は、競走馬やそれに携わる関係者が分散する時期でもある。ピーク時で2000頭以上の競走馬が滞在する滋賀県のJRA栗東トレーニングセンターも、夏競馬が始まるや馬も人も目に見えて減った。北海道開催に特に力を入れる厩舎は、6月から9月まで、まるでサーカス団のように丸ごと北上してしまうところもあるほどだ。もっとも、働く人たちにとってはこの季節がいいアクセントになっているのも事実で、夏競馬が終わったとたんに「あと8カ月の辛抱か」と次の夏に思いを馳せる人も少なくない。

大改修が施された栗東トレセンの調教コース。

 この時期は、トレーニングセンターの調教施設のメンテナンスの好機でもある。「強い関西馬」を支える原動力と言われる坂路コースは、真夏を待って2週間ほどの閉鎖期間を設けて、路盤の改修とウッドチップの入れ替えを行なうのが常。使用頻度が非常に高いので、それを怠ると路盤にうねりが生じてきたりする。

 ところが、今年は坂路の改修を春先から小規模でこまめに行なっているのが見受けられた。理由はローカルが始まるときにわかった。トラックのDコースの外側のウッドチップコースを全面改修し、その内側部分の芝コースも張り替えを行なう発表があったのだ。期間はローカルシーズン一杯という大規模な工事。ここが閉鎖となれば、そのうえに坂路も閉めるわけにはいかない。なにしろ、栗東の人気コースは1に坂路、2にDウッド、雨が降ったら芝コース、が実情なのだ。

コース改修で調整法に変化が。秋競馬にも影響か!?

 DWコースのウッドチップは、美浦トレセンに導入済みのニューポリトラックに入れ替えられている。この素材は雨が降ってもメンテナンスが要らない全天候型というふれ込みで、米国の西海岸の競馬場にダートの代わりに導入されたが、実際に使ってみるとそれなりにメンテナンスは難しいことがわかってきた。美浦でも速い時計が出過ぎることで、故障馬の報告が予想以上に出ている。それでも栗東に導入するのは、「東西均衡」を保つためなのかどうか。多くの馬たちの調整パターンの一つとして確立されていた、坂路楽走1本からDWコースで一杯に追う、という形がなくなることで、秋競馬に波乱を呼ぶ材料が一つ増えてしまったのかもしれない。

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