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JRAに求められる早急な善後策。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

posted2005/01/20 00:00

 着順掲示板に「審」の文字。到達順の馬券を手にしているときは、いやな予感が頭の中を駆け巡る瞬間だ。最近は特に、審議に持ち込まれるレースが多くなっている気がする。

 公正室に確かめると、データ的にもその通りなのだという。フルゲートか、それに近い多頭数のレースが増えたことがひとつの理由。それはJRAの番組の作り方が上達している証しでもあるだけに、仕方がないとしよう。

 芝馬場の造園技術が発達して、使うほどに傷むはずのインコースが、昔とは比較にならないほど荒れずに済むようになったことも原因なのだとか。内が悪くなければ、距離損がある外にあえて持ち出して行く理由がなく、結果として全馬がインに張り付くタイトな競馬になるというわけだ。余力がある馬同士が馬体を接近させて競り合えば、押されたの、ぶつけられただの騒ぎも起こる。しかしこれについても、もっと馬場を悪くしろと注文するわけにはいかない。競馬のスタイルが変遷してきていることを、みんなが理解しなければいけないのだろう。

 象徴的な出来事が12月12日の中山で起きた。武豊騎手が2年連続の200勝をあげた第3レースだった。2000mの芝に18頭が出走し、最後の直線まで馬群がひと塊のままで推移した文字通りのダンゴレース。武豊騎手のゴールドルパンは、とても抜け出せないと思われた狭い所から、神業的なさばきで馬群をすり抜けて1着に入線したのだが、それについて審議。結局28分間という記録的な時間がかかり、武豊騎手は戒告。同じように縫って伸びてきたデムーロ騎手には降着(3着から15着)という裁決が下されたのだった。

 下されたジャッジについては外野が批判しても仕方がない。しかし28分という、ほぼ1レース分の長い間を待たせたのは絶対によくない。裁決委員も必死にやっているのだろうが、時間が経つほどにおかしな憶測が浮かび、殺伐とした雰囲気になっていく一般ファンの気持ちを察してくれないと困る。

 聞けば騎手に対する制裁は行政処分なのだそうで、その理由を国にかわってきっちり説明する責任があるのだとか。それにしても、確定後の不服申し立て制度もあるのに、説得までの義務はないはず。次の50年に向かうJRAは、早急な善後策を求められている。

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