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アリゴ・サッキも推奨する
ドイツ流室内サッカー。
~“壁ありサッカー”の知られざる魅力~ 

text by

小齋秀樹

小齋秀樹Hideki Kosai

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photograph byUniphoto Press

posted2009/07/01 06:00

アリゴ・サッキも推奨するドイツ流室内サッカー。~“壁ありサッカー”の知られざる魅力~<Number Web> photograph by Uniphoto Press

 ハーレン・フースバルという競技があるのをご存じだろうか。

 フースバルはフットボール、ハーレンは室内を意味する。寒さの厳しいドイツでの、冬の人気スポーツだ。コートの大きさは平均的なフットサルコートとほぼ同サイズ、使用するボールもゴールも、5人制という点も同じ。ただし、コートを取り囲むのは白い線ではなく、壁だ。

トップクラブも取り組む“壁パス”の奥深さ。

 この競技最大の魅力は、なんと言っても、壁の存在によって生まれる攻防の妙だ。文字通りの“壁パス”が可能で、ドリブルが苦手な初心者でも頭の使い方ひとつで対峙する相手を抜き去ることができる。また、パスミスがラインを割って相手ボールになることがない点でも、初心者への心理的負担は少ない。

 もちろん、ただの初心者向き競技には留まらない。プレーが途切れることがない“壁ありサッカー”は、体力的にかなり消耗するもので、フィジカルメニューとして取り入れているトップクラブも少なくないのだ。また、壁の存在により、守備側には絶え間ない柔軟な状況判断が求められる。プレスディフェンスの創始者として知られるアリゴ・サッキは、守備トレーニングの一環として、この“壁ありサッカー”を取り入れていたそうだ。

“壁ありサッカー”世代がいずれ日本にも現れる!?

 ドイツ国内では、ユース年代の育成という観点から、サッカー協会はもとより、FIFA、UEFAの後援を得ての大会も行なわれている。そのひとつが、ドイツ南西部のラインラントで開催されるKERAMIK CUP。U-17世代を対象とした国際大会で、ブンデスリーガ所属クラブのほか、イングランド、オランダ、デンマークなど、欧州各国から参加するクラブがある。来年1月開催の同大会では、はじめて日本からも1チームが招待されることが決定。その予選となる『KERAMIK CUP JAPAN2009』は今年の夏、埼玉県川越水上公園で開催される。なお、現在も参加チームを募集中だ。

 レジャーと育成の両面で可能性のあるこの競技、ハード面を考えても、日本で発展する素地はある。たとえば小・中学校の体育館を開放してもらえれば、特別な改修工事などせずとも、誰もが気軽に楽しむことができる。日本各地にある体育施設の利用活性化にも、ひと役買うことになるかもしれない。

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