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「打倒トップリーグ!」
大学準V・東海大の挑戦。
~日本選手権での番狂わせなるか~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

PROFILE

photograph byYukihito Taguchi

posted2010/02/05 06:00

「打倒トップリーグ!」大学準V・東海大の挑戦。~日本選手権での番狂わせなるか~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 凄まじい戦いだった。

 1月24日に行なわれたトップリーグ・プレーオフ準決勝。秩父宮で目撃した東芝×サントリーは、一瞬も目の離せない攻防がこれでもかと繰り返された。東芝FB立川剛士の閃き溢れるラン。サントリーWTB長友泰憲の地を這う突破。サントリーのグレーガン、東芝のベイツが見せた極限の危機管理とチャンスへの反応。日本でプレーするトップ選手たちがファイナル進出をかけて激突した、重厚かつ緻密で、タフさを極めた80分間。本号が世に出る頃には決勝が終わっているが、長いシーズンを戦い抜いたトップリーグ戦士たちに、改めて感謝である。

打倒トップリーグを目標に掲げ、トータルラグビーを追求。

 そんな猛者たちへ、挑戦しようと闘志を燃やしているのが東海大だ。大学選手権では初めて決勝に進み、帝京大と死闘の末に敗れたが、7日に始まる日本選手権に大学2位で出場。初戦では来季のトップリーグ昇格を決めたトップチャレンジ1位(NTTコミュニケーションズ)と対戦する。

「僕らはもともと、トップリーグのチームに勝つことを目標にしてきました。徹底的に勝ちに行きますよ」

 木村季由監督は快活に言い切った。東海大はシーズン中から東芝、三洋などトップリーグ勢へ積極的に出稽古。合同練習後も三洋のブラウン、リコーのラーカムら世界的名手が「東海の子は素直だから教えていて楽しい」と言うのに乗じて、1時間も居残り指導をしてもらったとか。大学レベルを超えたサイズとパワーを備えながら、なおかつ大きくボールを動かすトータルラグビーを追求した姿勢も、そんな向上心の賜物だったのだ。

「勝つための知恵を出し尽くす」と木村監督は前向きに語る。

 日本選手権が現行方式になった'05年度以降、大学選手権準優勝校が初戦を突破した例はない。試験期間を含む1カ月のブランク、社会人側に居並ぶ一流の外国人選手……。大学選手権の激闘を終えたチームには酷な条件ばかりだが、「ここまで伸びてきたチームがもう1カ月練習して成長できるのが何より嬉しい。相手は強いけど、勝つための知恵を出し尽くして挑戦しますよ」と木村監督は前を見る。

 昨季は、やはり初めての大学選手権決勝で敗れた帝京大が、日本選手権ではリコーと死闘ドロー。トライ数差で2回戦には進めなかったが、その奮闘は今季の初戴冠に結実した。

 今度は、青い風を吹かせる番だ。

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