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期待の若手力士諸君よ、目指せ、打倒・朝青龍! 

text by

服部祐兒

服部祐兒Yuji Hattori

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posted2006/01/26 00:00

 前人未踏の大記録が、次々に誕生した'05年の大相撲界。朝青龍が押しも押されもせぬ大横綱の道をばく進し、その足元で新大関・琴欧州が台頭。当然、相撲人気はうなぎ登りになるはずだったが、現実は甚だ厳しいと言わざるを得ない。東京場所、地方場所ともに慢性的に続く観客の不入り。テレビの視聴率も一向に上がらない。唯一の救いは懸賞数の増加であるが、これとて僅かな人気力士のみに片寄ったいびつなもの。この危機的状況を打破する秘策は……。

 残念ながら、特効薬は存在しない。理事長が常々口にする「土俵内容の充実」こそが唯一の道。プロにしか出来ない技を披露するからこそ、プロは存在する。ごくごく当たり前のことだが、今、どれくらいの力士がこのプロ意識を有しているだろうか。死に物狂いの稽古など遠い昔の話、土俵上では安易な変化や叩きが横行。相撲の基本である「押し・突き・寄り・投げ・捻り・反り」に徹し、互いが安易な技に走らず、攻防の限りを尽くしてこそ、観衆に感動を与えられるのである。プロとして最低限の勝ち方、負け方があることを肝に銘じてもらいたい。

 その上で、更なる奮起を促したいのが、若手日本人力士たち。昨年幕内上位に顔を出した若手の殆どは、外国人力士。日本人力士で目立ったのは、稀勢の里、普天王、琴奨菊のみ。これでは大半を占める日本人ファンが、盛り上がれないのも仕方ない。だが、そんな人材不足のなかにあっても、幕下上位には期待の有望新人が現れ始めている。

 澤井豪太郎と影山雄一郎。相撲の名門、埼玉栄高校出身の澤井と、明徳義塾高校出身の影山。高校時代、ライバルとして鎬を削った2人は、昨年初場所初土俵。先場所、澤井は幕下優勝。影山は三段目優勝を飾り、今年の初場所では関取に手の届く番付に躍進した。共に大の稽古熱心、筋肉質の引き締まった身体。右差し左上手充分の澤井と、両差しガブり寄りの影山。型は違えど、正攻法の相撲は魅力一杯。共に入門時より体重が減ったようだが、これはプロでの肉体改造過程中の、いわば進化の賜物。かつてのライバルは、今や戦友ともなった。まずは同世代の稀勢の里に追いつき、一緒にスクラムを組み、目指すは打倒朝青龍、琴欧州。今年を是非とも大飛躍の年にして欲しい。

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