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華やかな熱戦の裏での、熾烈な招致合戦の実態。 

text by

藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

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photograph byTakuya Sugiyama/JMPA

posted2008/08/27 00:00

華やかな熱戦の裏での、熾烈な招致合戦の実態。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

 北京では連日熱戦が続いているが、競技以外でも激しい戦いが続いている。東京をはじめ、2016年夏季五輪の開催地に立候補している各都市の幹部がこぞって北京入りし、懸命のPR合戦を繰り広げているのだ。6月の第1次選考では東京が総合評価1位となり、マドリード、シカゴ、リオデジャネイロも順当に来年10月の最終選考に進んだ。北京五輪の期間中はIOC(国際オリンピック委員会)委員はもちろん、各競技のIF(国際競技連盟)幹部も一堂に会しており、この絶好の機会を利用しない手はない。東京都も約80人の職員を派遣。石原慎太郎都知事自らが北京に乗り込み、精力的にPR活動を繰り広げている。

 東京五輪招致団のPR用ブースはJOC(日本オリンピック委員会)の本部と同じホテルニューオータニ長富宮1Fのジャパンハウス内に設置されている。東京の開催計画の最大の売り物は中央区晴海に新設予定の五輪スタジアムから半径8km以内にほとんどの会場が収容できるというコンパクトさで、ブース内では模型やコンピューターグラフィックス映像を通じてそのコンパクトさが理解してもらえるようになっている。場所柄、やはり日本人観光客の姿が多いが、大会が進むに連れて欧米や他のアジア諸国の人たちの姿も目立つようになり、一定の成果を上げているといって良さそうだ。

 IOC総会での最終投票では、中国の動向が注目されている。中国と友好関係にある国の票も含めれば数十票単位となるだけに、各候補都市の幹部はあらゆる方法で中国側と接触を図っている。会見で胡錦涛国家主席は「日本の人々が東京で五輪を開くことを希望していることは十分に理解している。東京の幸運を祈っている」と東京の立場に理解を示したが、明確に「東京支持」を打ち出したわけではない。一つ一つの積み重ねが最後にものを言うだけに、閉会式まで熱い戦いが続く。

 もっとも、どの都市が開催地に決まっても、今回の北京大会のように大規模にはならないだろう。大がかりな開会式を見ても分かる通り、今回の五輪はまさに国威発揚の象徴であり、厳しい財政事情にある東京や他の立候補都市には到底不可能だ。北京とは違う独自色をどう打ち出すかが最終選考の鍵となりそうだ。

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