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邂逅を遂げた男達の、“第2次プロジェクト”。 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

posted2008/02/28 00:00

 あまり知られていないが、スティーブ・カーとシャキール・オニールの最初の“プロジェクト”は失敗だった。

 15年前のことだ。オニールはプロ2年目ながらオーランド・マジックの大黒柱。プロ5年目のカーはシーズン途中のトレードでマジックに加入した。インサイドを支配するオニールと外からのシュート力抜群のカー。最高の組み合わせのはずだった。

 「一見いいアイディアのようだったが、実際はうまくいかなかった。あのチームのオフェンスに僕はまったく適合しなかったんだ」とカーは振り返る。結局、ほとんど出番がなかったカーは、シーズン後にFAとなり、マジックを離れた。

 時は流れて今年1月末。すでに現役を引退し、今季からフェニックス・サンズのGMに就いていたカーに、難しい選択が突きつけられた。マイアミ・ヒートからのトレード打診だった。ショーン・マリオン、マーカス・バンクスと引き換えにオニールはどうかというのだ。

 オニールは、サンズにとって喉から手が出るほど欲しいビッグマンだ。しかし、3月で36歳を迎える引退間近のベテランでもある。かつての圧倒的な存在感は薄れ、怪我、コンディショニングやモチベーション不足でスタッツは下がり、欠場することも増えていた。果たしてまだ動けるのだろうか。交換の2選手を出してまで獲得する価値があるのだろうか。

 コーチ陣やチーム・キャプテン、スティーブ・ナッシュに相談した上で、最後の決断はカーが下した。

 「どんな移籍でも賭けの部分はある。うまくいけば天才だと言われ、失敗すれば愚か者だが、それで構わない」とカー。新人GMとは思えない勇断だった。

 オニールのサンズ入団記者会見が行われたのは2月7日。偶然、15年前、オニールが遠征でフェニックスを訪れたのと同じ日だった。その15年前の試合でオニールはダンクし、ゴールを壊していた。記者会見でそのときのことを聞かれたオニールは、当時の思い出を語ったあと、隣のカーに「スティーブ、あなたもあの時チームにいたよね?」と聞いた。

 カーは笑って答えた。「いたよ。いつもと同じ、ベンチの一番端にね」

 果たして、二人の“プロジェクト”は、今度こそ成功するのだろうか。

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