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“青白時代”を担う新横綱白鵬への期待。 

text by

服部祐兒

服部祐兒Yuji Hattori

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posted2007/07/12 00:00

 平成15年九州場所以来、実に22場所ぶりに東西の横綱が並び立った。先輩横綱朝青龍と新横綱白鵬、青白時代の幕開けとなる名古屋場所。復活を期す朝青龍、久々に大関取りに挑む地元琴光喜、巻き返しを狙う栃煌山、豊真将ら若手日本人力士たちに注目だが、もちろん今場所の主役は新横綱白鵬である。

 横綱昇進を確実にした白鵬は、先場所後の伝達式から超過密日程が始まった。使者を前に、前夜11時過ぎまで考えたという口上の文言は、「精神一到を貫き、相撲道に精進いたします」。貴乃花の四文字熟語口上を踏襲した「精神一到」は、中国の儒学書「朱子語類」の中にある「精神一到、何事かならざらん」から採った一節で、精神を集中すれば何事も成し遂げられるという意味を持つ。

 翌5月31日には立浪一門の力士約60人が、まわし姿に紅白のねじりはちまきを締めて綱打ちをした。親方衆や白鵬の見守る中、太鼓の音に「ひい、ふう、みい」と声を合わせ、銅線を芯に麻を巻いた3本の綱をよりあわせ、長さ5.5mの異例のロングサイズの綱を完成させた。過去の不知火型短命説を打ち消す長寿サイズ。白鵬の行う土俵入りの不知火型は、結び目が1つの輪の雲竜型に比べ、ちょうちょ結びで2つの輪があるため長さが必要になるためだ。安治川親方(元横綱旭富士)の指導を受けてのリハーサルでは、長い両腕を翼のように広げ、低い構えからせり上がる雄大かつ華麗な勇姿を初披露した。左右の動作を間違えるなどNGの連発は、ご愛敬だ。

 翌日は明治神宮で横綱推挙式と奉納土俵入り。晴れ姿を見ようと、外国人力士最多となる4300人の観衆が集まった。四股を踏むたびに「よいしょ」と観衆の声が上がり、新横綱への祝福と期待を白鵬も実感したに違いない。翌日は、モンゴルの先輩旭鷲山の断髪式で、雲竜型の朝青龍と初の横綱そろい踏み。

 6月9・10日は、14年ぶりに開催された大相撲ハワイ巡業。朝青龍を破って総合優勝を飾り、閉会式では力士を代表して英語とハワイ語で挨拶も行った。

 名古屋入り後も挨拶回りなどで忙殺される毎日が続いた白鵬。新横綱の場所は土俵入りを間違いなくやるだけで精一杯というが、白鵬はどうか。その肉体的精神的タフさが試される。

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