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清成のWSB初勝利は、8耐で掴んだ成長の証。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2008/08/27 00:00

清成のWSB初勝利は、8耐で掴んだ成長の証。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 清成龍一が、8月上旬に行なわれたスーパーバイク世界選手権(WSB)第10戦英国大会の第1レースで念願の初優勝を達成、第2レースで2勝目を挙げた。

 今年は、初めて経験するサーキットが多く、新型となったホンダCBR1000RRのセットアップにも苦戦。第5戦イタリア大会の第2レースで3位になったのを最高位に、予選、決勝ともに2桁に終わることが多かった。

 一方で、チームメイトのC・チェカは初めてのサーキットでも着実に優勝争いに絡む活躍を見せてきた。モトGPクラスを目指す清成にとって、チェカを超えられなければ次のステップはない。その試金石であり、結果的に大きなターニングポイントになったのが、7月末に開催された鈴鹿8時間耐久レースだった。

 清成とチェカは8耐でもチームを組んだ。エースはチェカ。彼のセッティングが優先されたマシンで、彼より速く走ることが、清成のエース奪還の鍵を握っていた。清成は苦悩の末、「自分のセッティングより速く走るチェカのセッティングから何か得られるものがあるはず」と気持ちを切り替え、新しい走りにトライ。ブレーキングで突っ込みすぎず、コーナリングスピードを落とさないために大きなラインを取った。それが見事に実を結び、勝利に大きく貢献する快速ランで自身2度目の8耐制覇を成し遂げた。

 その勢いをWSB第10戦に持ち込んだ。舞台はブランズハッチ。2連覇を達成した英国スーパーバイク選手権時代、もっとも苦手としていたサーキットだが、WSBで戦うようになって初めて経験する走り慣れたサーキットでもあった。ハンディキャップなしで挑んだ初日に暫定PPを獲得。清成は「そのとき勝てるかもしれないと思った」と振り返った。

 WSB2連勝の要因を、清成は「8耐のお陰」とキッパリ。8耐で得た新しい走りでライディングに幅が生まれた。そしてWSB初優勝で新たに生じるプレッシャーをも、「ホンダのエースとして絶対に負けられない8耐に比べればずいぶん楽」と言い切るほど、精神面でも大きな成長ぶりを見せ付けた。

 残り4戦8レース。清成は「ひとつでも多く勝ちたい」と語る。来年のWSB制覇がいよいよ現実味を増してきた。

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