SCORE CARDBACK NUMBER

ホンダのF1撤退が、
2輪に及ぼす影響とは。 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

PROFILE

photograph bySatoshi Endo

posted2009/01/16 00:00

ホンダのF1撤退が、2輪に及ぼす影響とは。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 2輪のレース界は、いまや、日本のバイクメーカーの存在なくして成り立たない状況にある。その頂点に君臨するのがホンダであり、先日のホンダのF1撤退のニュースは、2輪のレース界にも大きな波紋を投げかけた。

 ホンダの2輪レース部門を統括するHRCは、これからのレース活動について、「世界経済の不況の中で、現在、今後を見据えて検討している段階」とコメントしている。しかし、漏れ伝わる話をまとめると、来季はレース予算を'08年比50%程度削減。最高峰のモトGPクラスへの割り当てを優先し、全日本ロードやモトクロス、トライアルなどのカテゴリーに関しては、ワークスチームが撤退、もしくは大幅に縮小されると言われている。

 これまでホンダは、各国のレースを始め、スーパーバイク、モトクロス、トライアルなど、すべてのカテゴリーにワークスチーム参戦、もしくはサポート活動を行ってきた。それだけにF1撤退に続く2輪のレース活動の大幅な縮小は、国内だけにとどまらず、世界規模でダメージを受けることになりそうだ。

 世界経済同時不況の中で厳しい状況に追い込まれているのはホンダだけではない。オーストリアのバイクメーカーKTMが一足早く250ccクラスからの撤退を決めた。他のメーカーも大幅な予算削減を迫られている。

 そんな中、12月中旬に発表された来季のWGP暫定エントリーリストでは、WGPを運営統括するドルナの必死の支援策もあり、125cc、250ccクラスともに昨年とほぼ同じ台数を確保した。しかし、先行き不透明な中でスポンサー活動を中止する企業も予想され、チーム関係者は大きな不安を抱えている。

 この数年、メーカーは膨張するレース予算とマシンの開発費に悲鳴を上げてきた。来季から実施されるテスト日数の大幅削減とタイヤの一社独占供給はコスト削減につながると歓迎ムードだったが、今度は根幹からレース予算を削減しなければならなくなった。ワークスチームといえど、アドバンテージを築くのが難しい時代の到来でもある。際限なく増え続けてきたレース開催数など、プロモーターを含め、グランプリの進むべき道をレース界全体が真剣に考えなくてはいけない時期なのではないだろうか。

■関連コラム► ホンダ名物ディレクターの退任。 (2008年12月1日)
► ロス・ブラウンでホンダはどうなる? (2007年11月26日)

関連キーワード
ホンダ
MotoGP

ページトップ