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変革に踏み切ったF・ニッポンに要注目。 

text by

大串信

大串信Makoto Ogushi

PROFILE

posted2007/10/04 00:00

 9月16日にスポーツランドSUGOで開催された全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第7戦で、小暮卓史が見事なポールトゥウインを飾った。小暮はすでに今季第3戦で優勝を飾っているが、何度ポールポジションをとっても全く勝てなかった昨年のことや、予選2番手にいながらスタートに失敗し、追突事故の原因を作ってしまった前回のレースや、雨の中でNSXを大破させた今年のスーパーGT選手権のもてぎ戦などを思うと、圧倒的な速さでポールポジションを獲得した今回のレースも安心しては観ていられなかった。だが、全く危なげない走りでの完勝だった。展開そのものは単調に推移したが、なかなか緊迫感に満ちたレースだったと思う。

 このレースを前に、シリーズを運営する日本レースプロモーション(JRP)が報道関係者を集め、'08年に向けて新しい大会形式の提案をしていることを発表した。それによると、1大会2レースとしたうえで2レース目は1レース目の結果を逆転させたスタート位置から始めるというリバースグリッドルールを導入するなど、かなり大幅な改革を計画している。純粋な速さを競うべきフォーミュラカーレースにゲーム性を盛り込むことについて賛否はあるだろうが、変革に踏み切ったJRPには期待したい。

 実はJRPは、1カ月前には'09年に行う車両の入れ替えについて発表会を開いて、F1への踏み台としての立場を脱却し「日本独自のトップカテゴリーとして地位を確立し、アジア、パシフィック地域を代表するレースを構築する」と宣言したばかりだ。わたしの記憶にある限り、周囲からあれこれ言われながら、JRPが自分たちの位置づけを自ら明言したのは初めてのことである。

 今年のJRPはF・ニッポンの発展へ向けて改革を含め積極的に動いているばかりか、情報を適宜広く発信して、まさにプロモーションに目覚めたような動きを見せている。一時期F・ニッポンのパドックには、変化への足がかりを失ってしまったような閉塞感が満ちていた。だが、空気が変わってきたように感じるのはわたしだけか。

 異色のスターとしてファンを増やし始めた小暮の存在と合わせて、F・ニッポンの動向に注目している。

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