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宮里藍が感じた上田桃子のまぶしさ。 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byTaku Miyamoto

posted2007/11/29 00:00

宮里藍が感じた上田桃子のまぶしさ。<Number Web> photograph by Taku Miyamoto

 アメリカ女子ツアーから帰国した宮里藍の調子が悪い。今季、連続予選落ちするなど、昨年までの宮里らしい潔いショットが陰をひそめ、自信のないプレーが続いた。米ツアー2年目の洗礼といってもいいかも知れない。

 その宮里が、今季絶好調の上田桃子の優勝シーンをまのあたりにして「とてもまぶしい」と表現していた。

 確かに、今季の上田桃子はまぶしい。米女子ゴルフツアーにも組み込まれているミズノクラシックで、上田は最終日、首位タイでスタートし、66で回り通算13アンダーで優勝した。パー5の7番ホールでは日本ツアー史上8人目となるアルバトロスを記録している。今季4勝目で、賞金ランクも2位に3200万円差をつけ、首位にたっている。

 ただ、上田のプレーの陰には、さまざまな苦悩がなかったわけではない。

 10月初旬にはドキュメンタリー番組「情熱大陸」で、バレーボールやバスケットに対して「先がないスポーツを何でできるんだろうと思っていた」と発言し批判を浴びた。80cmのパットを外して優勝を逃す経験もした。

 どんなスポーツでも同じだが、もっと自分を進化させようとすれば、決まって壁にぶつかる。未熟だから進歩がある、と簡単に気持ちを切り替えられないのだ。昔の話になるが、ジャンボ尾崎が絶好調のときに「練習すればするほど、悩みが増える。その課題をひとつひとつクリアしていかなければ次の勝利はない」と言っていたが、まさに今の上田が、同じなのかもしれない。ただ、旬のアスリートというものは、外側から見れば絶好調で肩で風を切るようなプレーをしているものだ。宮里が上田をまぶしいと表現したのは、葛藤や苦悩を感じさせないでプレーし、しかも成績が伴っているからだろう。

 世界へ、と夢が強く、そして国内で実績を残しているときは勢いがあり、強い。それがいまの上田だ。4年前、高校生で初優勝を飾り、女子ゴルフブームを巻き起こした宮里もそうだった。そして、世界の舞台で戦い、その勢いだけでは破ることのできない現実に直面している。

 彼女がいつかその壁を破った時、上田は違う意味で宮里のまぶしさを感じるのかもしれない。

■関連コラム► 絶好調の上田桃子が知った1打の怖さ。 (2007年11月1日)
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