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これぞ文武両道。19歳でNFL入りしたオコイエ。 

text by

渡辺史敏

渡辺史敏Fumitoshi Watanabe

PROFILE

posted2007/05/17 00:00

 NFLのドラフトが4月28、29日の2日間にわたって行われた。レイダースから1巡目トップで指名されたQBジャマーカス・ラッセル(ルイジアナ州立大)など多くのスター候補選手が話題となったが、異色の存在として注目を集めたのが、全体の10番目でテキサンズに指名されたルイビル大のDTアモビ・オコイエだ。まだ19歳。NFLドラフト史上最年少の1巡目指名選手となったからである。

 NFLはドラフト対象を基本的に大学で3年以上プレーした選手と規定しており、MLBやNBAのように高卒選手の指名はできない。その中でオコイエはなぜ指名されたのか。それは、彼がいわゆる「飛び級進学」した学生で、ルイビル大で4年間プレーしたからだ。

 ナイジェリアで生まれたオコイエは、周りの子供がようやく話し始める頃にはすでに本を読んでいたという。なんと2歳半で小学校に入り、12歳でアメリカに移住するとすぐにアラバマ州リー高校に入学。そこでフットボールと出会う。父親は名門ハーバード大で勉学の道に進むことを望んだ。しかし、フットボールでも卓越した才能を発揮したオコイエは、両立を求め、16歳で強豪ルイビル大に進学した。大学では、当初、医学の道を目指し生物学を専攻していたが、卒業を優先して心理学に変更。実際3年半で卒業を果たしたのである。

 身長188cm、体重130kgは、DTとしては小柄だが、40ヤードを4・97秒で走る敏捷性を持ち味に、昨シーズンは55タックル、8QBサックを記録。『NFLドラフト・レポート』誌でオールアメリカン・ドリームチームにも選出されている。

 ずっと年上と過ごしてきた人生について、オコイエはこう語っている。「常に自分らしくありたいと思ってきただけさ。他人が思うように自分を特別視したことはなかったよ」

 テキサンズのヘッドコーチ、ゲイリー・キュービアックから、「インサイドからQBにラッシュできる選手はなかなかいない。でもあの子はできる」と期待をかけられ、「チームに合流するのが待ちきれない」と言ったオコイエ。NFLの世界ではどんな“飛び級”を見せてくれるのか。今から楽しみである。

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