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杉山愛を強打で負かす
20歳の新星が登場。 

text by

吉松忠弘

吉松忠弘Tadahiro Yoshimatsu

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photograph byHiromasa Mano

posted2004/10/21 00:00

杉山愛を強打で負かす20歳の新星が登場。<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

 日本女子も、そろそろ世代交代を期待すべき時に来ている。もちろん、29歳の杉山愛、28歳の浅越しのぶらが、この先も活躍することを否定はしない。いくつになっても、ますますの飛躍を切に望んでいる。しかし、ベテランが世界のトップに定着している間に、彼女らを脅かす若手が出てこないと、自然の流れで世代交代ができない。そのためにも、ジュニアから20代前半の次世代の発奮をうながしたい。

 9月13日からインドネシアのバリ島で行われたツアー公式戦ウィスミラク国際で、20歳の中村藍子が、初戦で杉山にストレート勝ちを収めた。中村は、ツアー本戦で試合をするのは、この時が初めて。予選2試合を勝ち抜き、初めて本戦でプレーする機会を得た。その記念すべき初戦で、見事にアジアのエースの杉山を破る金星を挙げた。杉山が不調だったわけではない。センターコートで行われたその試合は、十分にツアーでファンを魅了できるレベルに達していた。中村は絶好調。杉山のどんなショットも、得意のハードショットとカウンターで切り返した。もちろん、中村にとって、負けても失うものはないという無欲のチャレンジ精神があったことも幸いした。それでも、世界14位とがっぷり四つに組み合ったプレーは見事だった。

 中村は、日本女子に多く見られるフォアもバックも両手打ち。その利点を最大限に生かした強打が持ち味の選手だ。日本女子には珍しく肩が回り、もう少し鍛えればサーブも十分な威力が出る。16歳の'00年全日本室内でベスト4に入り注目を浴びた。その後、やや伸び悩んだが、今年8月に米国で行われたチャレンジャー(ツアー下部組織)大会でプロ初優勝を遂げ、ようやく才能が開花した。その若き才能に目を付けたテレビ東京が、半年ほど中村のツアー転戦を追いかけたことがある。モーニング娘。を生んだテレビ東京の「ASAYAN」で、海外進出の夢に懸けるコーナーだった。

 今年の活躍で、中村の世界ランクは自己最高の138位まで上昇。日本女子では5番目の位置まで上がってきた。14歳には全日本ジュニア18歳以下で優勝し、すでに日本ジュニア?1となった森田あゆみという逸材もいる。少しでも早く彼女らが、トップ100にいる4人の先輩を脅かしてもらいたい。

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