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ミラクル・メッツの大逆転はなるか? 

text by

出村義和

出村義和Yoshikazu Demura

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photograph byYukihito Taguchi

posted2007/11/29 00:00

ミラクル・メッツの大逆転はなるか?<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 このオフはジョー・トーレ監督がドジャースに去ったヤンキースの動向に目を奪われがちになるが、実は同じニューヨークにフランチャイズを置くメッツも注目球団だ。レギュラーシーズンでは、残り17試合で2位フィリーズに7ゲーム差をつけながら歴史的な逆転負け。敗戦のインパクトという点では、明らかにメッツの方が大きかったように思える。

 奇跡的な逆転勝利が売り物のミラクル・メッツが、逆ミラクルではシャレにもならない。というわけで、ストーブリーグでの巻き返しが期待されたのだが、序盤戦の動きは鈍い。レギュラーシーズン最終戦でフィリーズに地区優勝をさらわれた翌日、敗戦と同時に解任の噂がパッと広まったウイリー・ランドルフ監督の留任を、手回しよく発表したところまではよかった。だが、あとが続かないどころか、ライバルチームに先を越されて、早くも劣勢に立たされている。

 まず、今季13勝をマークし、メッツの投手として初の通算300勝を達成したトム・グラビンに来季のオプションを破棄されてしまう。そこに、すかさず獲得の意欲をみせたのが古巣ブレーブス。本拠地アトランタに自宅を構えるグラビンが、引退の花道として古巣に復帰するシナリオは、ほぼ確実に実現するだろう。

 そして、次は苦汁を飲まされたばかりの相手、フィリーズに痛い目にあわされてしまう。ブルペン強化として狙いをつけていたアストロズのクローザー、ブラッド・リッジをさらわれたのだ。

 「我々も獲得交渉をしたが、アストロズの要求が高すぎて、まとめられなかった」

 と、メッツのオマー・ミナヤGMは苦しげに語る。

 メッツにとっての緊急課題は投手力のアップだ。特に、ブルペンは終盤の大失速の原因になっただけにテコ入れは急務である。リッジは守護神ビリー・ワグナーのアストロズ時代のセットアップマンとして活躍していただけに、コンビ復活が幻に終わったのはよけいに惜しまれる。

 FAに人材が乏しい今オフだが、トレード市場にはサイ・ヤング賞2回、ツインズのヨハン・サンタナが出てくる可能性も取沙汰されている。メッツはここまでの劣勢を跳ね返すようなミラクル・トレードをまとめられるのか。ストーブの火が燃え上がるのはこれからだ。

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