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ジュニアをサポートする
米国ゴルフ界の試み。
~第2のタイガーを作る計画とは?~ 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

PROFILE

photograph byTaku Miyamoto

posted2009/05/27 06:00

 世界4大メジャー大会は、4月のマスターズに続き、6月に全米オープンが行なわれる。舞台はニューヨーク郊外のベスページ・ステートパーク(州立公園)にあるパブリックコース。2002年以来7年ぶり2度目、パブリックコースとしては、昨年のサンディエゴ・トーリーパインズに引き続いての開催である。

最高の舞台でタイガーのプレーを追体験できるアメリカのこどもたち。

 全米オープンの舞台はこれまで、歴史、伝統、厳しいメンバーシップをもつ全米屈指の名門コースがほとんどだった。その方針を大きく変えた理由のひとつが「世界最高最強を決める全米オープンの会場で、誰もが気軽にプレーできるコースがあっていいのではないか。ジュニアゴルファーたちが、同じコースで将来を夢見てプレーできるなんて夢が広がる」(全米ゴルフ協会)という考え方である。

 実は、タイガー・ウッズがマスターズ初優勝を遂げた1997年。米国のほとんどのゴルフ関係団体が一致協力して発足した「ファーストティ・プログラム」が、いま全米に浸透して、すでに300万人以上のジュニアたちが体験している。これは、ゴルフを知らない子供たちでも「ゴルフを通じて人格形成と人生に充実感をもたらす教育プログラム」である。もちろん実技を教えるけれど、ゴルフを通して「正直」「誠実」「スポーツマンシップ」「尊敬」「信頼」「責任」「忍耐」「礼儀」「判断力」という9つのキーワードと価値を学ばせることを目的としている。

石川遼につづく才能を日本ゴルフ界が育てるために必要なものとは?

 全米オープンを主催する全米ゴルフ協会も、そのプロジェクトの参加団体のひとつであるが、米国ゴルフ界の凄さは、総論賛成各論反対という日本の各ゴルフ団体と違って、どの団体も一丸となって促進するという姿勢である。

 ベスページには、5つのコースがあるが、全米オープンが開催されるブラックコースのすぐ脇に、子供専用の練習場がある。その看板のイラスト(キャディバッグを担いだ少年のシルエットの後ろ側に、大人が同じ格好で立っているデザイン)の下に、こんなことが書いてあった。

「ゴルフをやろうとしている子供たちに、大人たちは立ちはだかるのではなく大いなるサポートをしてあげるべきである」

 日本にもファーストティ・プログラムができれば、将来有望な選手が、どんどん育つかもしれない。

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