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荒削りでも大胆に。
全英に挑む石川遼の姿勢。 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byKYODO

posted2009/07/16 06:00

ミズノオープン、13アンダーで今季初勝利を飾り全英オープン出場を決めた。通算3勝目

ミズノオープン、13アンダーで今季初勝利を飾り全英オープン出場を決めた。通算3勝目

 石川遼が、4月のマスターズに続いて、全英オープンに挑戦する。17歳での全英オープン出場は、日本選手では、1978年、倉本昌弘の22歳を抜く、最年少記録である。今回は、マスターズや8月の全米プロの特別招待枠出場と違って「~全英への道~ミズノオープンよみうりクラシック」で優勝し、自らの力で掴んだ価値ある出場権だ。

 その優勝も劇的だった。最終日、2位の選手に5打リードして迎えた12番ホールで、第1打のドライバーショットを左に引っかけてOB。打ち直したショットも再びOB。さらに3打目も左のOBラインすれすれで、このホールで9を叩いて、 韓国のキム・ヒョンソンに並ばれた。

 だが、石川の運の強さ、攻める姿勢は、これで怯むことがなかった。16番ホール、パー5、グリーン右サイドのラフからの30ヤードのアプローチがチップインイーグルとなり、さらに最終ホールでもバーディで見事な優勝を飾った。

 その石川のプレーをみて、ふとジャンボ尾崎の言葉が浮かんできた。

「若いときは、小さくまとめるゴルフよりも、荒削りでも大胆に攻めるゴルフをしなければ、大きなゴルフが身につかない。OBして逃げるよりも、自分を信じて狙ったところに、また打っていく勇気が大事なんだ」

過酷なリンクスで石川は我慢のゴルフができるか?

 今年、石川が挑戦する全英オープンの舞台は、スコットランドのターンベリーというコースである。'94年、このコースでの大会で、ニック・プライスが17番ホールで劇的なイーグルを奪い、逃げ切り優勝を果たした。

 そのとき彼は「メジャーで勝つためには、最終日、最後の9ホールまで我慢して我慢して、じっとパーを拾いながら、自分を見失わないでプレーすることだ。そうすれば、きっと神様が、ご褒美にバーディをくれると思う」と言った。それほど過酷なゲームを強いられる。

 ここは'86年大会で、中嶋常幸がグレッグ・ノーマンと優勝争いをしたコースでもある。

 石川にとって手強いリンクスの敵は、天候だ。1日に四季があると言われるリンクスコース。特に風、寒さ、雨がショットを狂わせる。17歳の石川が、ゴルフの原風景の舞台で、どんなゲームを見せてくれるか楽しみだ。

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