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日本人選手の存在感を欧州で感じないのは何故? 

text by

杉山茂樹

杉山茂樹Shigeki Sugiyama

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photograph byTamon Matsuzono

posted2005/01/20 00:00

日本人選手の存在感を欧州で感じないのは何故?<Number Web> photograph by Tamon Matsuzono

 大久保嘉人はマジョルカ行きを遅らせてまでドイツ戦に臨んだ。日本では当然の選択と捉えられがちだが、欧州からの目線では、それはとても歯痒く見える。

  現在、欧州のある有名クラブの要職に就く元Jリーガーは僕に向かって、次のような台詞をしみじみと語った。

 「中田の活躍を機に、こちらでは一時、日本人選手が活躍しそうだという機運が高まったものの、今やそういう声は聞こえない。頭打ちだね。彼らには決定的な何かが欠けている」

彼らの近況は、日本で逐一伝えられている。小野フル出場。俊輔は得点に絡む。高原先発出場。柳沢は交替出場。実際には、出番のない選手もいるのだけれど、総数は多いので、なにやら賑やかに聞こえてくる。日本人選手は総じて健闘しているような印象を受ける。

  だが、欧州に滞在していると、日本で抱く印象と大きなズレがあることに気付く。それぞれの地元に行かない限り、日本人選手の話題はまず耳にしない。少なくともニュースは、国境を越えてまで届いてこない。

 UEFA杯に出場している小野だけは、例外になるが、彼とて、日本で報じられているほど活躍しているわけではない。「フェイエ、首位PSVに3―3。小野は2点目をマーク」と報じられたオランダリーグの大一番(12月12日)も、字面から抱くような活躍を見せたわけではない。思い入れから辛口となる僕の採点は、「5」ながら、地元の権威ある専門誌「フットボールインターナショナル」も「5・5」止まりだった。

  現場で見ていたところ、小野は変にシャイだった。戦線の真っ直中に、身を委ねようとする姿勢に欠けていた。相手のパク・チソンとは対照的に、感動を呼ぶプレーはなかった。やはり、決定的な何かが欠けていた。

 彼らは紛れもなく日本の代表ながら、欧州でのアピール度は低い。ドイツにホームで0―3で敗れた日本代表より、さらに貧弱に見える。仮に日本代表という集団が、次回W杯で16強入りを果たしても、個人戦の現状が今と変わらぬなら、欧州で勝者気分を味わうことは難しいだろう。問われているのは「代表」の4年に一度の成績より、「代表選手」の日常の活躍だ。そこで勝たなければ、欧州で「日本」のイメージは上がらない。僕はいま、意外にも欧州で肩身の狭い思いを味わっている。

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