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「公道のF1」WRCが、ついに日本で開催。 

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大串信

大串信Makoto Ogushi

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photograph byTakeshi Sakuma

posted2004/07/15 00:00

「公道のF1」WRCが、ついに日本で開催。<Number Web> photograph by Takeshi Sakuma

 日本のモーターレーシングファンにとって、F1グランプリをはじめとするレースに比べると、ラリーは必ずしも馴染みのある競技ではない。市販車で山の中を走り回るイメージや砂丘を飛び越えるイメージは持っていても、ラリーの最高峰である世界ラリー選手権(WRC)の実情や動向まで知るのはごく一部の熱心なファンだけではあるまいか。

 その世界ラリー選手権が史上初めて日本国内で開催される。日程は9月3日から5日、コースは北海道十勝に設定される。当然ここにはシリーズを闘って世界を転戦している自動車メーカーのワークスチームが姿を見せる予定だ。

 現代のWRCは、整備補給等のサービスパークを起点に閉鎖された公道や林道の競技区間(スペシャルステージ=SS)へと移動してその区間での速さを競う形式となっている。そこで闘うマシンは、外観こそ市販コンパクトカーだが、中身はターボ過給エンジンに四輪駆動システムを組み合わせ、電子制御のトランスミッションやデファレンシャルを加え怪物的な進化を遂げた。「公道のF1」とも呼ばれるWRCカーが斜めになって突進する様は、F1グランプリとはまったく異なる迫力に満ちており、多くの観戦者を驚かせ魅了するに違いない。

 今年のWRCを闘うのは、フォード、プジョー、シトロエン、スバル、三菱という5つのメーカーチームとそれに属する選手である。原稿執筆時点ではシリーズ第7戦のトルコ・ラリーが終わっており、シトロエンのエース、セバスチャン・ローブがシリーズ7戦中4勝を挙げてドライバーズ選手権ポイントランキング首位にあり、スバルのペター・ソルベルグが追いかけ、フォードのマルコ・マルティン、プジョーのマーカス・グロンホルムが続くという展開になっている。一方マニュファクチャラーズ選手権ではシトロエンとフォードが激戦を繰り広げ、スバルが3番手にいる。

 ローブは勢いに乗っており、ソルベルグはそろそろ流れを変えなければ苦しくなる。もっとも、WRCではわずかなきっかけが戦況を大きく左右するので、第11戦のラリー・ジャパンまで状況がどうなっているかはお楽しみだ。今年は記念すべきWRC元年。競技結果は二の次だと言ったら口が滑りすぎか。

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