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4年前の雪辱を誓う
充実の日本スキー界。
~メダル射程圏内は誰だ?~ 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byShino Seki

posted2010/01/08 06:00

4年前の雪辱を誓う充実の日本スキー界。~メダル射程圏内は誰だ?~<Number Web> photograph by Shino Seki

五輪仕様のウェアを披露した上村愛子(左)と伊藤みき。実力を出し切ればメダルは確実だ

 年が明け、バンクーバー五輪も間近に迫った。日本代表が決まったスケート競技に続き、スキー競技も来週には大方決まる。

 そのスキー競技は、昨年11月から12月にかけて各種目、シーズンが開幕。年末に大会はいったんひと区切りとなったが、シーズンに向けての調整の成否、世界の中での位置がひとまず見えた格好だ。

五輪に向けて好発進したモーグルとジャンプ勢。

 まず順調なスタートと言えるのはモーグルだ。年内にワールドカップが2試合行なわれ、上村愛子が開幕戦で2位と好発進。第2戦こそ予選落ちしたが、上村本人は悪材料と捉えてはいない。

「ワールドカップ前の欧州の大会も含め1週間で4試合目。疲労から集中が切れた面もあったのが原因ですね」

 何よりも採点基準の傾向をつかめたのが好材料だ。実は今季、上村の武器であるターンの採点方法に変更があった。

「心配もありましたが、いい滑りをすれば点をつけてもらえる、と安心しました」

 里谷多英も2戦連続決勝進出で健在ぶりを示した。世界選手権銀メダルの伊藤みきは昨年の膝の故障で調整が遅れた分、結果は出なかったが、巻き返しを図る。

 ジャンプも順調なところを見せた。伊東大貴がワールドカップで4季ぶりに表彰台に上るなど開幕からの6戦中3戦で入賞。「今の状態をキープしたいです」と、笑顔を見せる。また、栃本翔平も入賞するなど、チーム全体に底上げが進んだ。

メダルなしに終わったトリノ五輪の汚名返上を!

 実はスキー競技は、バンクーバー五輪を雪辱の場と位置づける。2006年のトリノ五輪でメダルなしに終わった不振を厳しく報道され、政治家には選手選考を批判されもした。日本オリンピック委員会から強化資金を減らされた種目もある。その後、資金を懸命にやり繰りして合宿を増やす、スタッフの充実を図るなどの努力が続けられた。昨季、世界選手権の結果から見ると、上村愛子の2冠をはじめ、ノルディック複合団体も金メダル、ジャンプの団体戦では銅メダルなど、軒並み好成績をあげたのは、汚名返上にかける思いの表れである。

 とはいえ、本当に雪辱を果たすことができるかどうかは、やはりオリンピックの結果にかかっている。

 バンクーバー開幕まで残り1カ月。前回以上に実力はついている。あとはピークを合わせられるかどうかが、鍵となる。

■特集:バンクーバーに挑む► 上村愛子 「人は出会いで強くなれる」 ~モーグルの新女王~
► 伊藤みき 「世界で一番楽しむために」 ~モーグル界の新ヒロイン~

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