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ツアー変革のあおりであの大会がなくなる!? 

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吉松忠弘

吉松忠弘Tadahiro Yoshimatsu

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photograph byHiromasa Mano

posted2007/05/03 00:00

ツアー変革のあおりであの大会がなくなる!?<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

 30年以上の歴史を誇るジャパンオープンの女子が消滅する!? 突飛な話のようだが、女子が存続の危機にさらされているのは現実である。WTA(女子テニス協会)が管轄する世界ツアーの変革のあおりを受け、減らす大会の対象となっているのだ。主催の日本テニス協会は続行の意志を示しているが、WTAは存続をなかなか認めようとしていない。

 昨年、ツアーの大会は、トップ選手のケガと疲労で、欠場の嵐に見舞われた。統計によると、トップ10選手が最高レベルの大会に出場を約束したのに欠場した回数は、一昨年に比べると倍以上になった。シャラポワやウィリアムズ姉妹らスター選手の動向は、ツアーの成功に大きく影響を与える。危機感を募らせたWTAは、'09年をめどに、シーズンの短縮、年間大会数を減らすこと、トップ選手が義務づけられた出場大会数を減らすことなどを決めた。具体的には、現在、11月に終了していたシーズンを10月に終える。賞金総額を基準に1から4のレベルに分かれている大会を「A」と「B」の2段階に簡略化し、4大大会を除く総大会数を58から52に減らす。アジアは、北京五輪開催決定をきっかけに中国の躍進が続き、大きな大会は中国の独占状態。日本は見向きもされていない。'09年からは、北京で賞金総額が最低でも400万ドルの女子大会開催が決まった。

 3月下旬に、上位の「A」レベル20大会だけが決定しWTAから発表された。毎年、1月の全豪直後に開催されていた東レPPOは存続するが、日程が9月に、会場が室内の東京体育館から屋外の有明コロシアムに変更を余儀なくされた。10月開催予定のジャパンオープンは、下位の「B」レベルに属すが、すでに秋のシーズンは北京や東レ、韓国やバリなど、アジアでの大会で飽和状態になる可能性が高い。ジャパンオープンが入る余地は非常に小さいだろう。

 今回の変革を行う理由は、プレーしやすい環境を作るというのが建前だが、どうもトップ選手の機嫌を伺い金儲けに走っているとしか見えない。各国の意向や下位選手のことはお構いなしの状態だ。環境の整備と言えば聞こえはいいが、スター選手や中国を利用した金儲け変革。このような便乗商法は、将来に必ず暗い影を落とすに違いない。

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