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変化の兆しを感じた
今年のセレクトセール。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph bySeiji Sakaguchi

posted2005/08/04 00:00

変化の兆しを感じた今年のセレクトセール。<Number Web> photograph by Seiji Sakaguchi

 社台グループのセレクトセール(正式には日本競走馬協会主催の当歳馬セレクトセール)は、今年も大盛況。不世出の大種牡馬サンデーサイレンス亡き後、目玉商品不在を心配されたのがウソだったように、売上高の右肩上がりは止まらない。

 「最後のSS産駒」を呼び物とした'03年が70億円超を売って新記録を樹立したのは想定の範囲内だったが、昨年が76億円余、さらに今年は79億7200万円(すべて消費税別)と数字をさらに伸ばし続けたのは意外だった。これは吉田照哉・日本競走馬協会副会長が言うように、「あそこに出せば馬が高く売れる。あそこに行けばいい馬が買えるという、市場に対する信用が確立した」からだろう。

 まったく、世間の不景気などどこ吹く風。1年にたった2日間だけだが、事業に成功して競走馬でも持ってみようかというセレブな人たちが集結している。今年も多くの新しい購買者が出現した。それが、302頭の上場で242頭の落札。平均価格3294万2149円で、80.1%という高い落札率を記録した要因になった。

 最高価格で落札されたのは、シンボリクリスエスの初年度産駒で、桜花賞馬ラインクラフトの弟にあたる母マストビーラヴドの牡。長い攻防の末、2億1000万円という高値で、株式会社ダノックスが競り勝った。また次位もそのダノックスが購入した馬で、父ヴィンディケイション(米国で4戦全勝の戦績を残して種牡馬になった新鋭)の持込。1億9000万円での落札と、資金力の豊富さを見せつけた形だ。そのほかにも、1億円以上で落札された馬は合計7頭。その中にはアグネスタキオン産駒が3頭おり、同馬は23頭上場で21頭の落札。平均価格5011万円と、かなり目立っていた。

 今年特徴的だったのは、高額落札馬の多くがどうやら関東の厩舎に入りそうなこと。デビューは早くても2年後のことなので確定的ではないが、前記の1位、2位の落札には美浦の有力な調教師の強力なサポートがあったし、3位のアドマイヤベガとフェアリードール(1億7000万円)もそうだった。馬は値段の順に活躍するわけではないのだが、長い間崩れなかった西高東低の流れが、変わっていくのかもしれない。

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