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迷走を続ける巨人、なぜ星野にフラれたか。 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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posted2005/09/29 00:00

 阪神、中日の優勝争いをよそに、シーズン終盤の球界の話題は、星野仙一・阪神SD(シニア・ディレクター)の巨人監督就任問題一色となった。

 9月8日、阪神の定例報告会で正式に来季の続投を要請された星野SDは、翌々日の10日に緊急会見を開いて、阪神残留を明言。これでようやく決着を見たわけだが、そもそもこの話は、巨人が低迷していた5月中旬、読売グループの首脳が、星野SDと接触して球界全体について意見を聞いたことが発端だったと聞く。この時、星野の大所高所に立った話に感銘を受けた首脳が、グループ会議で監督要請を提案したのだという。

 渡辺恒雄会長も、巨人を変えるには思い切った人事が必要、そのためには外部の人間を入れること、という発想で巨人の建て直しを考えていた。星野SDも監督時代、巨人に強烈な対抗意識を示していたものの、渡辺会長(当時はオーナー)のことだけは「あのオッサン、わかる部分も多い」と言っていた。それだけに巨人の監督を引き受けて、どこまでうまくいくのか、楽しみではあった。

 それが、フタを開けてみれば巨人の滝鼻オーナーも星野SD本人も正式要請を否定した。なぜ星野ジャイアンツは実現しなかったのだろうか。伝わるところ、「カネはいくらでも出せるが、人事権までは渡せない」という巨人側と、最終的な条件面で折り合わなかったとも聞く。また、マスコミが騒ぎ立てるなかで、巨人OB、ファン、世論の様子を慎重に見た星野SDが「ここは阪神に残ったほうが得策」と決断したとも言われている。この問題に、ひとり冷静だったのはソフトバンクの王監督だ。

 「そうなると思っていた。巨人の監督は並大抵じゃできないから」

 これで巨人の次期監督問題は白紙に戻った。候補には原辰徳、中畑清、江川卓、契約を1年残している堀内恒夫の続投、さらにはOBのデーブ・ジョンソンらの名前があがっている。しかしここにきて原、中畑、江川以外のつなぎの監督なら、来年オフに再び巨人が星野に要請するのではという話も聞こえてきている。

 頼みの綱の星野にフラれ、迷走を続ける巨人の監督人事。一番の問題は、球団をブッ壊す覚悟で改革を主導できない巨人のフロントではないのだろうか。

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