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福島千里が北京で開けた五輪への扉。
女子短距離のリレーで五輪決勝を狙う!! 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byDaiju Kitamura/AFLO SPORT

posted2011/04/26 10:30

福島千里が北京で開けた五輪への扉。女子短距離のリレーで五輪決勝を狙う!!<Number Web> photograph by Daiju Kitamura/AFLO SPORT

昨秋、中国・広州で開催されたアジア大会の陸上4×100mリレーで銅メダルを獲得した福島千里、佐野夢加、渡辺真弓、高橋萌木子ら。その上の金、銀メダルは中国とタイ代表だった

男子も採用の「アンダーハンドパス」に磨きをかける!

 こうなると楽しみになるのが、個々の活躍はむろんだが、リレー種目である。

 昨年も精力的に短距離選手で集まって合宿を行なったが、今年になってからも、1月に北海道で2度、2、3月には沖縄で、日本女子短距離合宿を重ねてきた。

 今年の合宿からの取り組みで目をひくのは、北京五輪の4×100mリレーで日本男子が銅メダルを獲得した際に、効果があったと話題を集めたバトンの受け渡し方法「アンダーハンドパス」の練習に積極的に取り組んでいることだ。あらゆる局面で、より技術の向上に力を注いでいる。

女子4×100mリレー出場は過去2回。48年ぶりの五輪を目指す。

 それだけ短距離陣に力を注ぐのは、大きな悲願があるからだ。

 女子の4×100mリレーでオリンピックに出場したのは、1932年のロサンゼルス、1964年の東京のみ。ロサンゼルスこそ5位となったが、東京大会では予選落ちを喫している。以後、短距離種目の世界との距離は遠く、オリンピックとは縁のない状態が続いてきた。

 だが北京で、福島が56年ぶりの100mでの五輪出場を果たした。福島に限らず、選手がそろいつつある今、リレーでもオリンピックをとどうしても期待が高まるのだ。

 世界上位16カ国が出場できるリレーで、北京五輪時、日本は18位で出場を逃した。

 決して届かない差ではない。

 まして、日本陸上競技連盟が掲げるのは、出場のみならず、決勝進出。

 そのためにも、まずは個々の選手のレベルアップが欠かせない。そして4人のメンバーをめぐる争いが激しくなれば、さらに向上が見込める。

「やり残した練習はありません。まず世界選手権の出場権を取って、ロンドンにつなげたいです」と自信を見せる福島を筆頭に、今シーズン、どこまでタイムを縮められるか。

 春の大会で、大きく注目されるところだ。

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