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9・25のPRIDEは、過酷なサバイバル。 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2005/09/29 00:00

9・25のPRIDEは、過酷なサバイバル。<Number Web> photograph by Susumu Nagao

 初戦からいきなり切り札。9月25日、東京・有明コロシアムで開催される「PRIDE GP2005ライト級トーナメント」の1回戦で組まれた五味隆典(木口道場レスリング教室)vs.川尻達也(TeamTOPS)が話題を呼んでいる。五味がPRIDEで無傷の7連勝中ならば、川尻はかつて五味が保持していた修斗世界ウェルター級王者。誰もが決勝戦での顔合わせを期待する一番の御馳走だったからだ。

 「なぜ1回戦でキラーカードを組むのか」と首を傾げるファンもいるが、残る6名も桜井“マッハ”速人(MACH道場)、ヨアキム・ハンセン(ノルウェー)など実力派が勢揃い。いわゆる金魚はいない状況だ。1回戦から全て潰し合い。これほど決勝進出者の予想が難しいトーナメントも珍しい。五味と川尻を別々のブロックに分けたら、彼らが拳を交わせる保障はどこにもない。「だったら両者ともコンディション100%の状態で闘える時にぶつけた方がいい」と主催者側が判断したのだろう。それともファンが一番見たいカードを初戦に組むことで、興行に勢いをつけたかったのだろうか。

 正直、ヘビー級やミドル級に比べるとライト級はネームバリューが低い選手が多いが、世界の第一線で闘える日本人ファイターが多いことも事実。中でも五味と川尻は日本の中量級きってのパウンダー(インサイドガードからのパンチの使い手)として知られている。直接対決で一般大衆層も唸らす好ファイトを展開できれば、PRIDEライト級のステータスも上がる。「ここでベルトを獲れば、人生が変わる」という五味の発言も、けっしてオーバーには聞こえない。

 幸い両者とも無尽蔵のスタミナを持つだけに、途中で攻め疲れすることはあるまい。お互いノンストップで攻めまくるだろう。唯一の心配は集中力の持続。何しろ、この日は1回戦に続いて準決勝も争われる。五味vs.川尻の勝者はルイス・アゼレード(ブラジル)vs.小谷直之(ロデオスタイル)の勝者とも闘わなければならないのだ。目の前の試合だけに集中することが理想だが、それだけで気を抜いたら万事休す。1日2試合闘わなければならない状況は、集中力のサジ加減を難しくさせる。トーナメントを勝ち抜くためには実力だけではなく、運も必要だ。

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