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2010年W杯のために、ガチンコ日韓戦の復活を! 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2006/08/17 00:00

 ドイツW杯に向けてのアジア最終予選が始まった頃、ある日本代表の選手はこう嘆いていた。

 「ジーコ、やばいよ」

 当時、その選手に迷惑がかかると思い、彼の監督批判を記事にすることはできなかった。今となってはジーコに戦術がないことをきちんと報じていれば、ドイツW杯のような結果にはならなかったのではと自分自身に腹が立つし、勇気がなかったことを恥ずかしく思っている。

 だが、ジーコ批判に踏み切れなかったのには、もうひとつ理由がある。

 アジアという“サッカー後進エリア”にいる日本では、監督の技量が問われる試合が少ない。W杯予選は4・5枠ということを考えれば突破して当然で、アジア杯はトップ4とそれ以下の国の実力差が大きく、ノルマを設定しづらい。コンフェデ杯も世界的に見れば、本気のメンバーで参加する国は少なく、ただのお祭りだ。欧州ではユーロ予選→ユーロ→W杯予選→W杯という真剣勝負のサイクルがあるが、残念ながらアジアではハイレベルな試合を味わえるのは、4年に1度のW杯本番でしかないというのが現状だ。選手の一部から、監督に対する悲鳴のような言葉が漏れ聞こえてきても、それが選手の思い込みなのかどうなのかを探る場が日本には少ない。結局オシムが監督になっても、彼の力をきちんと評価できる試合が4年後まであるかどうか疑問だ。

 そこで提案したいのが、「日韓戦」の復活だ。

 1960年代から定期的に行われてきた日韓戦は、'00年12月を最後に途絶えてしまっている。'03年4月と5月に再び行われたものの、両国とも欧州組が不在でベストメンバーではなかった。その後、東アジア選手権という形に姿を変えたが、中国が加わることによってライバル関係がボケてしまったし、大会形式にしたことで国際Aマッチデーとは関係ない日に開催しなければならず、欧州組を招集できない、という弊害が生まれた。

 欧州にいる主力を絶対招集する条件で、改めて“ガチンコ”の日韓戦を復活させたらどうだろうか。日韓戦は親善試合でありながら、重みや意味は、ヨーロッパにおけるユーロに匹敵するものがある。そういうアジアの誇るべきサッカー文化を、強化に生かさない手はない。

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