オコナーが15人制ラグビーを始めたのは15歳のとき。そこからわずか3年で代表入りした

ワラビーズの19歳が示す
世界との歴然たる隔たり。
~日本の大学ラグビーに危機!~

大友信彦 = 文 ⇒この著者の記事一覧

text by Nobuhiko Otomo

photograph by Tomoki Momozono

ワラビーズの19歳が示す世界との歴然たる隔たり。~日本の大学ラグビーに危機!~

関連アスリート・チーム:

チーム・選手名
ジェームズ・オコナー

 これが本当に19歳なのか?

 東京で初めて実現した、ニュージーランド(NZ)とオーストラリア(豪州)の頂上対決、ブレディスロー杯。グラウンディングの瞬間までタックルが飛び交う極限の攻防を日本のファンに披露した30人の中で、最年少だったのが、今年7月に19歳になったばかりの豪州FBジェームズ・オコナーだった。開始直後にはSOギタウの先制PGを呼ぶ快走。相手WTBジェーンが抜けてきた24分には、冷静に間合いを詰めるタックルでNZのトライを阻止。ハイパントで再三狙われても動じない勇敢で正確なキャッチング。試合はNZが勝ったが、試合後は「タフなゲームだった。オールブラックスがうまく試合を進めたけど、僕らもいいプレーはできた」と胸を張った。若くして活躍できる秘訣を問うと「目標を高く持ち、夢を持ち、ひたすら努力する。あとは自信を持って、高いレベルに挑戦することかな」とニキビ顔が弾けた。

森喜朗会長も嘆いた、大学ラグビー頂上決戦のお粗末さ。

 19歳の躍動が眩しく見えたのは、直前まで日本の同年代の試合を見ていたせいでもあった。同日、秩父宮ラグビー場で対決した早稲田大と帝京大は昨季の大学選手権ファイナリスト。日本の大学ラグビーの頂点を示すはずだったが……。

 試合は双方ノートライの静かな攻防。引き締まったタックル合戦とも呼べるが、タフな状況を耐える精神力も、戦況を打開する工夫も窺えない80分で、ラパセ会長らIRB一行とともに観戦した日本協会の森喜朗会長は「恥ずかしい試合」とバッサリ。大学ラグビーを擁護してきた会長をも失望させてしまった。

日本の学生は井の中の蛙。若手強化策の改革が急がれる。

 オコナーは17歳でスーパー14にデビュー。世界最高峰の猛者が集うリーグで揉まれ、ワラビーズ史上2位の若さとなる18歳126日で初キャップ。初先発となった今年6月のイタリア戦では、国際ラグビー最年少で3トライのハットトリック。だが真価は、黒衣の圧力にも動じず身体を張り続けたメンタル、フィジカル両面のタフネスだったことは、国立で目撃した人なら感じたはず。一方日本の同年代は、高いレベルを肌で知らないまま、大学という井戸の中で伸び盛りの4年間を費やす……。大学のトップ選手がインターンでトップリーグに参加できるシステムなど、本欄で長年訴えてきた若手強化策の改革を、改めて切望する。

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