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惨敗続きの3戦に見る、協会首脳の驚きの発言。 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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posted2004/12/16 00:00

 記者の耳が悪いのか。11月28日、歴史的大敗を続けた欧州遠征から成田に帰国した日本代表の萩本光威監督は、収穫として「ディフェンス」を挙げたのだ。

 「DFは進歩してると思います。ただ、個人のタックル力がもうひとつだった。揃って前に出ているときは一発で抜かれなかったし、チームDFは後退していない」

 日本代表が過去、3桁失点を喫したのは2回。ともに世界最強と謳われたNZが相手だった。今回は6カ国対抗で5戦全敗のスコットランド。1次攻撃を止めたといっても……。

 「改めて、この時期の英国に行くときは本当に強いチームを編成して行かないと、太刀打ちどころじゃない。向こうは本物のメンバーで本気だった」。そりゃ実感だろうが……。

 スコットランド戦後にいったん帰国し、ルーマニア戦をテレビ観戦した勝田隆強化委員長は「世界ラグビーの第1グループと第2グループの差が広がりすぎていて、IRBも真剣に考えなきゃいけないと言っています」と客観的に話し、「トップリーグで予想外にケガが多かった」と嘆いた。記者の記憶ではこの人は強化の責任者で、メンバー選考に「若手の登用」を打ち出し、昨年W杯で活躍した20代の有能な選手まで除外した当事者なのだが。なおこの人はその後再び英国入りしたが、ウェールズ戦を前に帰国してしまった。

 遠征団長の真下昇専務理事は、ウェールズ戦を控えた25日、現地で「今遠征の結果はW杯招致には影響しない」と発言。「IRBのミラー会長もそう言ってくれている」と強調した。「遠征では全部勝つのがノルマ。代表の結果はロビー活動にも重要な要素です」と出発前会見で聞いたのは空耳だったのか。

 日本協会はW杯招致という、税金による支援なくしては不可能な事業に踏み出した。協会内政治だけでなく、社会全体に開かれた運営が求められると思うのだが……代表とともに帰国した浜本剛志強化担当理事は「招致には税金を使わせて頂きますけど、強化は協会の予算でやってます」とトボける始末。

 最強とは程遠い日本代表が編成され、記録的大敗にも責任逃れが横行。傷を負うのは選手だけ。W杯招致も政財界に擦り寄るのみで、社会に目を向けた説明は皆無と、もはや全てが麻痺している。この人たちはいったい、日本のラグビーをどうしてしまいたいんだろう。

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