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今、注目のIT力士は、相撲もブログも絶好調!! 

text by

服部祐兒

服部祐兒Yuji Hattori

PROFILE

posted2005/09/15 00:00

 どの世界にも「大化け」する人はいるものである。それまであまり目立たなかった人が密かに着実に力をつけて、ある時期、突然頭角を現す。相撲界で先場所、一気にその名を全国に知らしめたのが普天王だった。

 2日目の魁皇戦、大関初挑戦にも全く動じず、左差し右上手の形で電車道。魁皇のお株を奪う怒涛の寄りで手にした自信は、大関・千代大海もあっさりと飲み込んだ。更に無敵の横綱・朝青龍への初挑戦。実は文徳高3年生だった平成10年のインターハイで、普天王は明徳義塾高2年生だった朝青龍を押し出しで破っている。その後、普天王は日大に進学、朝青龍はすぐにプロの道に進んだため、横綱にとっては7年越しの借りを返す機会の到来となった。当時80kgしかなかったという朝青龍は、今や筋骨隆々の140kgを超える体に成長。すでに立場が逆転していることは誰の目にも明らかで、予想通り全く普天王に相撲を取らせず完勝した。横綱の集中力の凄さを体感した普天王は、自らの相撲に欠けていたものを悟ったのだろう。前半の6日間の上位戦での勉強が、その後に生き、残り9日間は8勝1敗の好成績。何とその8勝の中には、不戦勝が2番も含まれるという強運まで取り込み、2場所連続の三賞を獲得。9月場所は新小結として、その勢いの真価を問われることになる。

 普天王は、土俵外でもパソコンを駆使して異彩を放っている。2月から「現役力士『普天王』どすこい大相撲日記」というブログを開設した。長引く相撲人気低迷に何とか歯止めをかけ、自分と同世代の若者たちに相撲に関心を持ってもらいたいという気持ちから始めたそうだが、閉鎖的な相撲界が身近に感じられたのか、あれよあれよという間にファンの人気を集めた。本場所の有無にかかわらず、ブログを通してファンの気持ちをしっかりとキャッチ。今場所もブログの存在は、普天王にとって、底力という湧き水の源流となるはずだ。

 先場所からブログを管理するIT企業から、懸賞がかけられるようになった普天王。ブログの話題に追いつく形で大化けし、一躍全国区となったが、その性格は至って真面目で稽古熱心。今場所も先場所に続き、美味しい酒が場所後に飲めるか否か。注目である。

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