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“聖地”で繰り広げられる、'05年全英の見どころは? 

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三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byTaku Miyamoto

posted2005/07/21 00:00

“聖地”で繰り広げられる、'05年全英の見どころは?<Number Web> photograph by Taku Miyamoto

 全英オープンが5年ぶりにセントアンドリュース・オールドコースで開催される。10年前の'95年、ジョン・デーリーが優勝したとき、オールドコースの全長は6933ヤードだった。優勝スコアは通算282の6アンダー。'00年、タイガー・ウッズが優勝したときは、7115ヤードまで全長を延ばし、優勝スコアは通算269、19アンダーだった。

 今回はさらに距離を延ばした。2番ホールを40ヤード、4番ホールを16ヤード、12番ホールを34ヤード、14番ホールはなんと37ヤードも延ばして618ヤードとなり、全長では7279ヤードとなった。ゴルフ道具の劇的な進化に合わせる形で、コースの全長を延ばし続けているのだ。

 セントアンドリュースはゴルフの聖地と呼ばれ、400年以上の歴史を誇る。18ホールとなったのは、1764年のことで、そのコースは風や雨が何世紀もかけて作り出したリンクスコース。リンクスコースとは、スコットランドに多い海岸沿いの草原地帯のコースで、この場所で羊飼いが棒で石を飛ばして遊んだのがゴルフの始まりといわれている。

 「ほんとは、オールドコースぐらいは変えて欲しくないんですよね」とかつて倉本昌弘は言ったことがある。

 「だってコースを変えなければ、400年の間、人間と道具がどれだけ進化したか、その時代時代でどんなゲームをするのかのひとつの尺度になるじゃないですか。だからたとえ30アンダーになったって、それはそれでいいんですよ」

 その意見に、僕はなるほどそれもありだな、と思った記憶がある。

 たとえ距離が長くなっても、リンクス特有のめまぐるしい天候の変化、海風の強さに変わりはなく、選手は苦労させられるはずだ。パワーだけでは通用しないのがオールドコースの面白さである。

 僕が今大会で期待するのは丸山茂樹だ。彼の技量は、リンクスコースに向いている。パワー頼みのコースは体格に劣る丸山には不利。反面、パワーだけでは征服しえない要素が多くなればなるほど、丸山には有利になってくる。今年の丸山は、無理をしてリズムを壊し、それに腹を立ててスコアを乱すというゲームが目に付く。彼が、ゴルフの原風景の中で自分を見つめ直すことができれば、上位に食い込む可能性は十分にあると期待している。

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