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大人の走りを身につけて、
芳賀が狙う初タイトル。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2009/04/02 07:00

大人の走りを身につけて、芳賀が狙う初タイトル。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 スーパーバイク世界選手権(SBK)に参戦する芳賀紀行が、開幕戦オーストラリア大会の第1レースで移籍後初レースでの勝利を挙げた。

 開幕前の会見では「(ドゥカティに移籍して)勝てるマシンなのだから、みんな勝って当然だと思っている。すごいプレッシャー」と語っていた。過去最高の重圧の中で戦ったレースでの勝利に「これまで一番だった'96年の鈴鹿8耐の優勝より嬉しい」と、喜びを爆発させた。

 '97年にヤマハで全日本スーパーバイクチャンピオンになり、'98年からSBKにフル参戦した。以後、11年間で2年間だけモトGPに参戦したが、9年間に及ぶSBKでは、ヤマハ、アプリリア、ドゥカティ(プライベートチーム)、そして再びヤマハと、そのほとんどをワークスチームで戦った。最高ランキングは2位が2回。3位が4回。常にチャンピオン争いに加わり、勝つか転ぶかという熱い走りで、世界中のファンを魅了してきた。

 昨年は、宿命のライバルだったドゥカティのエース、トロイ・ベイリスが、タイトルを獲得して引退。そのベイリスがシーズン中に芳賀を後継者に指名、チームも異存はなく獲得に動いた。芳賀の移籍はギリギリまでもつれ込むことが多かったが、今回は早々に決断した。その理由は、「チャンピオンを獲りたい」というひと言に尽きた。

 芳賀は常に“期待される”存在だったが、「勝って当然」という雰囲気は初めて経験するものだった。そのプレッシャーを最初の戦いで乗り越えたことで気持ちに余裕が生まれた。オーストラリア大会の第2レースでは、タイヤの消耗に苦しむも2位。続く第2戦カタール大会は予選までセッティングが決まらず、苦戦必至と思われたが、「最終的にチームが何とか優勝争いに加われるバイクに仕上げてくれた」と2レース連続2位。2戦を終えてただひとり、4レース連続で表彰台に立ち、総合首位をキープしている。

 勝つか転ぶかという戦いから、芳賀はこの2戦、チャンピオンを獲るために我慢の走りを見せた。それはチャンピオンチームではミスが許されないという重圧があることを感じさせる走りでもあった。過去のシーズンとは明らかに違う芳賀の姿に、タイトル獲得の期待は膨らむばかりである。

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