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自信満々プレイヤー、アリーナスの時代到来。 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

posted2007/01/25 00:00

 ワシントン・ウィザーズのギルバート・アリーナスが好調だ。12月17日、出身地のロサンゼルスで子供の頃に憧れたレイカーズを相手にキャリア最多の60点、8アシスト、8リバウンドをあげる活躍をみせ、さらにその5日後のフェニックス・サンズ戦でも54得点をあげた。12月の平均34.1点、6.2アシスト、4.3リバウンドという好成績でチームを12勝4敗に導き、イースタン・カンファレンス月間最優秀選手に選ばれた。

 以前から自信にはこと欠かなかった。この夏取材したときにも「コート上で僕を止められる選手はいない。誰が一番いいディフェンス選手かと聞かれてもわからない」と言っていたほどだ。

 自信の一方で、周囲から自分の才能を認めてもらえないことに対して敏感だ。背番号の“0”は、名門アリゾナ大に入ったときに周囲から「出場時間は0分」と否定的な予測をされたことに由来している。NBAドラフトでは2巡目まで指名されなかったため、自分より上位で指名された30人の選手のリストをクロゼットに保管し、時々眺めては、NBAから姿を消していった選手の名前の上に横線を引いているという。

 見た目はいつも笑顔で楽しそうだが、実生活では4歳で母親から捨てられるなどつらい思い出も多い。しかし、そのたびにマイナスの出来事をプラスのエネルギーに変えてきた。NBAに入ってからもその姿勢に変わりはない。

 最近では、昨季プレーオフで自分のフリースローミスが原因で敗退したことや、去年夏、世界選手権直前に米代表チームの最終ロスターから外れたことが彼のやる気の元になっていた。8月、米代表選手たちが日本で戦っている間、彼らより多くの時間練習し、多くのシュートを打とうと、練習場に寝泊りしてトレーニングをしていたという。その思いがあまりに強すぎたために、開幕直後はかえって調子が出なかったほどだ。

 12月の活躍でMVP候補として名前をあげられるようになり、ついにアリーナスの時代到来と評価され始めた。しかし、そんなまわりの賞賛に対し、アリーナスは真顔でこう言ってのける。

 「僕の中ではとっくの昔に僕の時代はやってきている。そのことをみんなに納得させる必要があっただけでね」

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