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ハミルトンがドイツで見せた
圧倒的な速さ。 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2008/08/07 00:00

ハミルトンがドイツで見せた圧倒的な速さ。<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

 シリーズ後半戦の幕開け、2年ぶりのホッケンハイムに戻って開催された第10戦ドイツGP。現在最多数となる5人のドイツ人ドライバー、そしてメルセデスとBMWのホーム・グランプリである。

 起きるべきことが全て起きたといえるこの67周レース、L・ハミルトンは本当に速かった。PPウインという結果だったからそう言っているのではない。

 マクラーレン・チームは夏のマシン開発に成功しウイークポイントだった低中速コーナーでフェラーリを圧倒し、今まで“オーバードライブ(攻めすぎる)”傾向があったハミルトンもこのレースでは違った。まだ1年半、27戦目の彼がベストマシンを得たスピードにおぼれずに、抑えるべきところは抑え、全力を振り絞るところでは出し切ったのだ。

 中盤、ハミルトンが首位を独走しているときにトヨタのT・グロックがクラッシュ、セーフティーカーが入った。ここで11台が一斉にピットイン。その前にたっぷり燃料を入れていたハミルトンにとっては難しい局面に陥った。せっかく築いたリードがゼロになった。しかしそこから彼は猛然とプッシュを続け、50周目に2回目ストップ、5位に下がった後にすべてを抜き去ったのだ。セーフティーカーに邪魔されなければ大独走だったが、このように障害を乗り越え、耐えて勝ったのは初めてだ。今季4勝目を挙げてイギリスGPに続く2連勝。混戦の今シーズン、まだ誰もできていなかった連勝をやってのけた。

 N・ピケは予定通りの1回ストップ作戦をセーフティーカー出動直前にタイミングよく遂行。前にいた者が次々にピットに入り、17位スタートだったのが1位に立った。あとは守るしかない。結局ハミルトンには抜かれたがフェラーリのF・マッサには抜かれず2位を守りきった。一見幸運に助けられただけに見えるこのレースで、彼は自己ベストラップを連続して記録、実力も開花させていたのだ。

 スピードをコントロールしたハミルトン、運を実力でフォローアップしたピケ。後半戦に向けて大きな転換点となるレースだった。フェラーリ勢のK・ライコネンもマッサも傍観者でしかなかった。勢いを得たマクラーレンとルノー、闘いは熱気を帯びてきた。

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