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リングに吹き荒れるか最年少レスラーの嵐。 

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門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

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posted2004/06/17 00:00

 「10カ月に満たぬキャリアでよくやっているよ……」

 ジュニアヘビー級の実力派・獣神サンダーライガーがその才能に舌を巻くのは16歳のプロレスラー中嶋勝彦だ。

 デビューは今年1月5日の後楽園ホール。WJの石井智宏戦だった。実際には、昨年の9月6日、15歳6カ月で横浜文化体育館における総合格闘技「X―1」で空手家として初リングを踏んでいる。翌日のスポーツ紙面には当然、「最年少記録」の文字が躍った。

 マスクもよく、一点を見据えた面構えは凛々しい。ワンツー、返しのパンチの速さには非凡な才能を感じる。175cm、85kgの体は鞭のようにしなやかだ。

 周囲から強く高校進学を勧められても、

「お母さんに家を建ててやりたい」

 と首を縦に振ることはなかったという。そのハングリー精神もいい。

 私の知る限り、最年少デビューの好選手では、16歳1カ月のザ・グレート・カブキ(高千穂明久=引退)、15歳11カ月のパンクラス船木誠勝(引退)がいる。その初陣姿が重なって見えた。このまま順調に育てば、間違いなくその2人に肩を並べられるはずだ。

 そして、WJが興行不振に陥ったことで、活躍の場が変わった。長州の直系であった佐々木健介が退団。中嶋もそれを追うように3月末に辞め、健介オフィス入りしている。

 健介は長州の呪縛から解き放たれたかのように、新日本、全日本、ある時はインディーズ系のマットで活発な動きを見せている。

 また、マネージャー役の北斗晶の悪女ぶりがいい。和田京平レフェリーを黒い木刀で手玉に取るかたわら、夫・健介の調教師の役割を果たすなどなかなかの働きぶりだ。そんな最強夫婦に支えられる中嶋は幸せ者だ。

 今、中嶋は新日本の恒例イベント「スーパージュニア」に抜擢され、公式リーグ戦で活躍中だが、前年の覇者垣原、IWGPジュニア王者ヒート、ニューヨークWWE帰りのウルティモ・ドラゴンらに絞られ、いまだ黒星続き。しかし、これらトップ選手と対戦できるのはキャリアのない新人には最高の勉強。

 6・12名古屋大会では健介との親子タッグで、アジア・タッグ王者の天龍・渕組に挑む。結果次第では、今後の健介一家の株がまた上がるかもしれない。

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