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クリス・ウェバーが移籍の次に狙う夢。  

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

posted2007/03/22 00:00

 夢が現実になることがある。クリス・ウェバーの場合は、現実になったのは6歳の甥の夢だった。

 1月、チームの若返りを進めるフィラデルフィア・セブンティシクサーズとの間で契約買取の交渉が成立してフリーエージェントとなったウェバーが、次の契約先として出身地のチーム、デトロイト・ピストンズを考えていたとき、甥が見た夢の話を聞いた。彼の夢の中で、ウェバーは背番号84のピストンズ・ユニフォームを着て試合をしていたのだという。

 実際、ウェバーが大学時代からつけていた背番号“4”は、ピストンズでは永久欠番となっていてつけることができなかった。高校時代と同じ“44”をつけようと思っていたウェバーだが、甥の夢の話を聞いて“84”をつけることにした。「その夢で僕らは試合に勝っていたというしね」とウェバーは言う。

 勝利こそがウェバーが今回の移籍に求めていたものだった。サクラメント・キングス時代にカンファレンス・ファイナルまで進んだウェバーだが、シクサーズに移った昨季はプレイオフすら逃していた。ピストンズに加わることは、再び優勝を狙えるということを意味していた。

 「地元に戻ってこれたのも嬉しいけれど、それ以上にこのチームに加われたことが嬉しい」とウェバーは言う。

 一方、チームの精神的支柱だったベン・ウォレスを昨夏FAで失ったピストンズにとっても、ウェバーの加入は大きかった。強豪が少ない東カンファレンスでは相変わらず優勝候補にあげられていたが、ウェバーが加わる前の成績は21勝15敗と並の上レベルで、チャンピオンに返り咲くチームには見えなかった。

 それが、ウェバーが入ったことでチーム全体に活気が戻ってきた。オフェンス面ではパスの上手いウェバーが入ったことで一層流れがよくなり、メンタル面でも、優勝を強く願うウェバーの存在がチーム全体のモチベーションを上げた。その結果、ウェバー加入後は一度も連敗することなく16勝6敗、通算成績37勝21敗(3月6日現在)で東カンファレンス首位。優勝も現実的な目標になってきた。

 地元に戻り、チームメイトにも恵まれ、ウェバーは「今はとにかく優勝したい」と言う。果たして、次は自分のこの夢を実現することができるのだろうか。

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