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'05年注目のデザインはルノーとマクラ―レン。 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2005/03/17 00:00

'05年注目のデザインはルノーとマクラ―レン。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

 美しいから速いのか、速いから美しいのか。フォーミュラ・ワンの世界では昔から『美=速さ』といわれ続けてきた。今年はいつになくそれぞれのニューマシン・デザインが個性的。皆さんにも、見た目に違いが分かりやすいはずだ。そうなった最大の理由は『空力新規定』の採用。各チームとも懸命に開発を行なった結果、そのスタイル、フォルムが今のところ千差万別でオリジナリティに富んだものになっているのだ(ま、これもシーズンが進むにつれ、ひとつのデザイン方向に収束されるのが常なのだが)。

 鼻(ノーズ)が極細なのはルノー、鼻高なのはウイリアムズ。違いが目立つのはその鼻の下のフロント・ウイング。中央部分を規定いっぱいまで低くし、スプーンのような形状にしたのがB・A・R、ルノー、マクラーレン、ウイリアムズとレッドブル。'05年のトレンドといえる。だがこのスプーン形状は、実際にコーナー進入時に空気の流れが右と左で変わるので(直線ならいいのだが)、ダウンフォース発生バランスが微妙に変わりやすく、セットアップしにくいのが難点。

 フェラーリはF2004MもF2005も(発表時点で)、ウイングの中央下、路面すれすれのところに3D曲面の“子持ちウイング”を追加してきた。これで車体の下側に整流された風を通し、ダウンフォースを稼ごうというアイデア。ただこれも欠点がなくはない。やや空気抵抗が大きくなり、直線最高速が伸びなくなるし、他車とのニアミスでダメージを受けやすい。フェラーリの技術陣営も「さらに開発して見直すかも」とほのめかす。

 横腹(サイドポンツーン)も各車いろいろ。下が深くえぐれているのはザウバー、ルノー、マクラーレン、フェラーリ。そうでもないのがウイリアムズ、トヨタ、B・A・R。冷却のためのラジエター類が、この腹の中にパンパンに収まっている、と思ってほしい。

 背中(エンジンカウル)から後方にかけてのラインはマクラーレンだけがゆるやかなカーブで、そこに角のような中央ウイングが生えている。力強いイメージと共に、上方気流まで計算したアイデアだ。車体後方にかけて、鮫のエラ、シャークフィンのような“スリット”をいっぱい開けているのがルノー。排熱効果を狙った。NEWトレンドセッターとしては、この両車が際立っている。

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