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青木快勝のDREAMで見られた
“日本式MMA”。 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2009/10/21 06:00

青木快勝のDREAMで見られた“日本式MMA”。<Number Web> photograph by Susumu Nagao

決勝の腕ひしぎ。1年以上試合間隔が空いたヨアキムはテイクダウンされやすくなったか

 “We Love Japanese MMA”というキャッチコピー通り、『DREAM11』(10月6日・横浜)はアメリカのMMAにはない、日本式MMAの特徴を随所に感じさせた大会だった。

ミノワマンvs.ホンマンに表れた日本式MMAの独自性。

 身長43cm、体重61kg差のハンディを押しのけてミノワマンがチェ・ホンマンをヒールホールドで下したスーパーハルクトーナメント準決勝は、無差別級の醍醐味を存分に味わわせてくれる一戦だった。ここまで体格差のあるマッチメークは、現地のアスレチックコミッションの審査が厳しいアメリカでは絶対に組めない。

 高谷裕之とビビアーノ・フェルナンデスによって争われた、DREAMフェザー級GP決勝の裁定は意見の分かれるところ。2名のジャッジは打撃、テイクダウン、極めをまんべんなく使っていたビビアーノの勝利を支持したが、試合の主導権を握っていたのは打撃一辺倒で攻め立てていた高谷の方だった。手数や積極性がポイントにならなければ、ストライカーが勝つ道はKOだけになってしまう。ラウンドの攻防が75%以上スタンドの時は、打撃で勝る選手にポイントがつくアメリカでは判定が逆になってもおかしくなかっただろう。

残り4秒で極めた青木は日本式MMAの頂点だ。

 全9試合中、もっとも日本式を感じさせたのは、王者ヨアキム・ハンセンに青木真也が挑戦したDREAMライト級タイトルマッチだった。別に試合後、青木が「(MMAの)トップはUFCじゃない。DREAMだ」と叫んだからではない。判定決着ムードが漂う中、残り時間4秒というところで腕ひしぎ十字固めを極め、誰もがアッと驚く一本勝ちを収めたからだ。この一戦が決まると、「勝たなければ、意味がない」と宣言。勝利に固執する素振りを見せながらも、最後まで完全決着を諦めなかった青木の勝負に対する姿勢には頭が下がる。と同時に、一度もクローズドガードをせず、自ら積極的に展開を作ろうとしていたヨアキムのプロ意識にも拍手を送りたい。

 日本人選手として初めてDREAMの王者となった青木は、チャンピオンベルトを腰に巻かれると男泣き。それから「もう絶対に泣かない」と言い切ったが、大晦日のDynamite!!では川尻達也との一戦が有力だ。川尻に勝ったら、もう一度泣いたっていいじゃないか。

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