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日本独特の気候のもと、
秋春制は本当に可能か?
~解消できないJリーグの積雪問題~ 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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photograph bysponichi

posted2010/02/25 06:00

日本独特の気候のもと、秋春制は本当に可能か?~解消できないJリーグの積雪問題~<Number Web> photograph by sponichi

昨季第2節、カラーボールを導入した山形×名古屋戦。ハーフタイムには雪かきを行った

 東アジア選手権が開幕した2月6日、東京は冷たい風が吹き荒れていた。ただし、この日の天気は晴れ。凍てつく寒さはこたえたが、サッカーをすること自体に問題はなかった。

 しかし、日本は広い。同じ日、日本海側を中心に、東北や北陸は大雪に見舞われていた。東京にいると実感が乏しくなるが、日本には、この時期、外でサッカーができない地域もあるのだ。

 私自身、新潟出身である。実際、高校時代は冬場、グラウンドが使えなかった。春が近づくと、1年生部員が雪かきをする。グラウンドに積もった雪に穴を掘り、陽が当たる面積を増やして、雪解けを早めるのが恒例行事だった。

 そんな記憶があるからか、Jリーグのシーズンを秋春制に移行しようという話を聞いても、いまひとつピンと来ない。反対というわけではないのだが、積雪という現実がどれほど正しく認識されているのかが、甚だ疑問なのだ。

“寒くないのに雪は多い”日本が抱える問題点。

 秋春制の是非について議論になると、大抵、冬の寒さが論点になる。「日本よりも寒いヨーロッパの国がやっているのだから、日本でも秋春制は可能」といった具合だ。だが、日本の場合、最大のネックは雪が降ることだ。長野が冬季五輪史上最も南に位置する開催都市であったことは象徴的だが、ヨーロッパとの比較で言えば、日本は“寒くないのに雪は多い”独特の気候を持つ国なのである。

 当然、雪質も異なる。ほうきで掃けるようなヨーロッパの軽い雪と違い、日本は水分の多いベタ雪。融雪装置を埋設したとしても、ピッチ状態を良好に保つのは簡単ではないだろう。それはスタジアムに限らず、練習場にも言えることだ。

東北地方のクラブがJリーグに加盟申請したらどうするのか?

 恐らく、1カ月程度のウインターブレイクだけでは、問題は解決しない。にもかかわらず、冬にサッカーをやるための具体的な方策(暖房設備やその費用負担等)は聞こえてこない。

 現状では、全37のJクラブのうち、こうした問題が切実なのは、1割程度だろう。だが今後、青森や秋田からJリーグに加盟申請するクラブが出てきたらどうするのか。雪が加盟の足かせになるようでは、百年構想が聞いて呆れる。

 少なくとも私は、秋春制移行のメリットを吟味する以前に、それを現実的なものとして考えられずにいる。

■関連コラム► 欧州でも議論される、リーグ秋春制の是非。 (09/01/06)
► Jリーグの秋春制移行。 (08/12/25)

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