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シャラポワに負けるな。日本に鈴木貴男あり。 

text by

吉松忠弘

吉松忠弘Tadahiro Yoshimatsu

PROFILE

photograph byHiromasa Mano

posted2005/03/17 00:00

 インフルエンザのように猛威をふるったシャラポワ旋風が、ようやく落ち着いた。昨年10月のAIGオープンから吹き荒れたシャラポワへの過熱報道は、テニスといえば女子という日本の特徴を端的に表していた。しかし、何度も書いてきたが、スポーツでテニスといえば、まず男子が先に来る。だからといって女子テニスを揶揄するわけではないが、男子テニスのレベルの高さを目のあたりにすると、そのおもしろさは尽きない。それは、日本女子より活躍が少ない日本男子でも同じなのだ。

 今年の全豪2回戦で、日本男子のエース、鈴木貴男が、世界王者のフェデラーに健闘した。当時、世界203位だった鈴木のことなど、ほとんどの方がご存知ないに違いない。その彼が、世界1位を苦しめた。セットを奪ったわけではなく、スコアだけを見ればストレート負け。文字で、彼の健闘を伝えるのは、非常に難しいものがある。なぜ彼が世界王者を苦しめることができたのかは、すでに本誌で報じたので省くが、長い間、女子の陰に隠れ、スポットが当たらなかったエースの意地も背景にあったのだろう。「プロとして負けたのは悔しい。しかし、これで鈴木貴男、そして日本男子に少しでも注目が集まれば嬉しい」。彼は、そのように話していた。

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