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ストーナーの逆襲開始で
モトGPは総力戦へ。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2008/07/24 00:00

ストーナーの逆襲開始でモトGPは総力戦へ。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 開幕戦カタールGPで優勝して以来、苦戦続きだったC・ストーナーが、シーズン中盤の第8戦イギリスGPと第9戦オランダGPで2連勝を果たし、モトGPクラス総合首位のD・ペドロサ、2位のV・ロッシとのポイント差を一気に縮めた。

 ストーナーは、調子を取り戻した要因を「第7戦カタルニアGP後のテストでいい状態に戻ったからだ」と語っている。ライバルメーカーが猛追するなか、今年のドゥカティは速さと燃費を両立させるための制御が上手くいかず、表彰台に立てないレースも多かった。

 それがやっと解決。「テストの後、イギリス、オランダと、どんどん良くなっている」との言葉通り、ストーナーはイギリスでは約6秒差で独走し、オランダではその差を約12秒へと広げた。

 ストーナーが去年チャンピオンを獲得した背景には、最速を誇ったドゥカティとブリヂストンタイヤのアドバンテージがあった。今年はミシュランが巻き返し、ここまでの戦いを見る限り、タイヤの力はほぼ互角。それだけに、電子制御が完璧に機能しないマシンの不調は明白であり、ストーナーの足を引っ張る格好になっていた。

 4ストロークエンジンになって、モトGPマシンの電子制御は驚くほど進化し続けている。ストーナーの速さを支えている理由のひとつは、限りなくオートマチック化されたドゥカティの制御にある。クラッチ操作はスタートだけ。アクセルは、ほぼオンかオフというシンプルさ。ライダーはマシンの向きを決めるだけでよく、結果的にライディングに集中できることになる。

 その走りはライダーが通常行なうアクセルコントロールとは無縁であり、M・メランドリを筆頭に他のメーカーからドゥカティに乗り替えたライダーは、電子制御を100%信頼出来ないのか、全員が下位に低迷している。これは、ライダーがコントロールする部分を残そうとする日本のメーカーとドゥカティの考え方の違いなのかもしれない。

 チャンピオン争いは、前半戦を終えて、ペドロサ、ロッシ、ストーナーの3人に絞られた。ホンダ、ヤマハ、ドゥカティの総力戦は、モトGPマシンの進むべき道を決める戦いでもある。

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