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ヤンキースのブルペンを支える苦労人スターツ。 

text by

出村義和

出村義和Yoshikazu Demura

PROFILE

photograph byYukihito Taguchi

posted2005/04/28 00:00

ヤンキースのブルペンを支える苦労人スターツ。<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 リリーフの実績では他の6人に劣るが、開幕を迎えるときには守護神マリアノ・リベラに次ぐほどの信頼を勝ち得ていた。実際、ジョー・トーレ監督はメディアからブルペンに関して質問を受けるたびにこう繰り返した。

 「彼は6回から9回までどの場面でも投げられる才能があるし、タフでロングリリーフもできる。故障者が出たら先発も任せられる。彼はウチの強みのひとつだ」

 この言葉通り、タニヨン・スターツは開幕戦でランディ・ジョンソンをリリーフしたのを手始めに、オープニング・ウィークの6試合で4試合に登板、早くも1勝をマークした。4試合目となる対オリオールズ戦ではカール・パバーノが頭部にライナーの直撃を受けたあと、ほとんどウォーミングアップなしの緊急登板ということもあって3点を失ったが、それまでは5イニングをゼロに抑え、期待にたがわぬ投球をみせた。

 「開幕戦に投げたというのは、特別な出来事だよね」と、34歳のスターツは淡々と語り始めた。昨年5月ドジャースのトリプルAから移籍。身長196cmの大男だが、途中移籍ということだけでなく、試合のヤマ場に登板することもほとんどなかったこともあり、クラブハウスでも存在感は薄かった。

「昨年のポストシーズンで、レッドソックス相手にいい投球ができた。それで自信が持てるようになった」

 最速97マイルのファストボール、鋭く落ちるスプリッターは威力十分だが、スターツはその武器を生かせぬまま、カブスを振り出しに5球団を渡り歩いた。先発だったデビルレイズ時代にはシーズン18敗(4勝)という悲惨な成績も残した。

 「ここにきたお陰で僕の野球人生は大きく変わったよ」とスターツは言う。そのキーパーソンとなったのが、球界きっての頭脳派マイク・ムッシーナだ。

 「スプリングトレーニングでロッカーがマイクの隣りになった。それで、どうやって打者を追い込んでいくかといった、投球術のアドバイスを受けるようになった。開幕してからも、クラブハウスの担当者に頼んでロッカーをマイクの隣りにしてもらった。毎日勉強さ」

 練習のキャッチボールではマリアノ・リベラと組むスターツ。超一流に囲まれて、超遅咲きの花がいよいよ開きそうだ。

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