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ソフトバンクキラー小松聖の「因縁」。 

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永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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posted2008/07/24 00:00

 昨季まで北海道日本ハムで投手コーチを務めていた佐藤義則氏にパ・リーグでどこの球団のコーチをしたいか、開幕前に尋ねたことがある。

 意外にも答えは今季低迷を続けているオリックス・バファローズだった。荒削りだが実力は未知数で、球の速い若い選手が多い、というのが理由だった。

 オリックスには、平野佳寿、岸田護、金子千尋など若手有望株が揃っているが、その中の一人に2年目の小松聖がいる。

 コリンズ前監督時代、投げ込み禁止、過度の走り込み禁止というメジャースタイルが導入された。しかし、下半身強化を図れないと感じた小松は首脳陣の目を盗んで、走り込みを行った。その結果が今シーズンの好調を生み出しているのだ。

 昨シーズンは9月9日のソフトバンク戦のわずか1勝に終わったが、今シーズンは早くも5勝をマークしている(7月7日現在)。

 7月1日のソフトバンク戦では、1死満塁のピンチを連続三振で切り抜けると、力んでボール球に手を出す相手打者をあざ笑うかのように緩いカーブを使って今季5勝目を挙げた。そのうち、3勝がソフトバンクという「キラー」ぶりを発揮している。「ボールになる変化球を不思議と上手に使えるようになった」と本人も自信を持って投げているのだ。

 高校、大学ではもう一つ芽が出なかった小松だが、JR九州に進んでから素質が開花。ドーハで開催された'06年のアジア大会では、150km近いストレートを投げてエースとして活躍していた。

 地元の選手優先でドラフト指名をしているソフトバンクも小松の実力に注目していたが、大隣憲司を指名し、結局小松はオリックスに入団した。その因縁ではないだろうが、ソフトバンク戦では必ずといって良いほど好投を見せている。「地元の選手なのにどうして獲れなかったんだ」とソフトバンク・王貞治監督がこぼすのも無理もない。

 大石大二郎監督代行体制になり、投手コーチに清川栄治を据えた。かつての練習システムを見直した結果、チーム状況も徐々にではあるが上向いてきた。

 小松、山本省吾、金子らが中心となって投手王国を築き上げる前兆を感じさせる。オリックスの後半戦は、前半戦とは一味違った戦いになるはずだ。

■関連リンク► 師が見抜いたダルビッシュの不安要素。~佐藤義則の存在感~ (2009年4月22日)
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