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大波乱にやられた!タイトル戦線異常あり。 

text by

門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

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photograph byEssei Hara

posted2006/09/28 00:00

大波乱にやられた!タイトル戦線異常あり。<Number Web> photograph by Essei Hara

 地殻変動か、世代交代か。夏の終わりによもやのタイトル移動。秋のマットは早くも波乱含みのゴングである。

 全日本では前例のない、歓迎されざる日本人チャンピオンが誕生した。世界一性格の悪い男・鈴木みのるが3日、札幌STVスタジオで、王者太陽ケアを裸締めで破り3冠ベルトを奪取、第35代王者に就くという異常事態が起こった。

 そのみのるはベルトを振りかざし「ネットオークションで売ってやる」と悪態をつき、10月29日、福岡国際センターで予定される初防衛戦は「本気で俺を倒しにこい!」と武藤、小島を逆指名する憎たらしさ。全日本のフロントはタイトル戦当日まで、みのるの辛辣な“口撃”に曝されることになりそうだ。

 そして9日、ノアの日本武道館では史上最年少の26歳、176cm、90kgの最小兵のGHCヘビー級王者の誕生というドラマがあった。小さな丸藤正道の大きな冒険は、ノアの管理する5大ベルト総ざらいという記録まで作ってしまった。

 恥ずかしながら筆者はこの試合、はやくから秋山準3度目の防衛を確信。実は想定の原稿を用意していた。25分過ぎまで試合の流れは秋山にあった。ところが、変幻自在の丸藤は、秋山の動きを逆利用。あっという間に丸め込んでの首固め、27分29秒のフォール勝ち。七色のテクニックがヘビー級のパワーを駆逐してしまった。早く仕事を終え、一杯やろうとしていた不純な心掛けがいけなかった。やられた。原稿は最初から書き直しである。

 丸藤は埼玉栄高校レスリング部出身。今牛若丸といわれるアクロバティックな戦法はしっかりしたレスリング技術に裏打ちされたものだ。90kgという軽量王者は、第3代の小川良成がいたが、5カ月の2回防衛と短命に終わった。秋山との20kgという体重差を突破、新時代の扉をこじ開けただけの“三日天下”に終わったのでは困る。丸藤には、従来なかったバトル路線を切り開く未来形の楽しさと魅力がある。

 新エース丸藤の台頭で同世代のライバルたちが目の色を変えた。森嶋猛、KENTA、そして王座返り咲きを狙う力皇猛だ。外敵の柴田勝頼、そして育ての親三沢光晴らの動向にも要注意だ。階級枠を超えたノアのタイトル戦線は一瞬たりとも目が離せなくなってきた。

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