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それでいいのか?タイヤワンメイク化論争。 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2008/09/25 00:00

それでいいのか?タイヤワンメイク化論争。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

 ホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)が、D・ペドロサのマシンのタイヤをミシュラン(MI)からブリヂストン(BS)に切り替えると発表した。シーズン中にチームがタイヤをスイッチすることは珍しいことではないが、WGPの最高峰クラスでMIと30年にわたりパートナーシップを結んできたホンダの決断は、大きな衝撃だった。

 その背景には、言うまでもなくBSの圧倒的なパフォーマンスがある。それを武器に、昨年はドゥカティの若きエース、C・ストーナーがタイトルを獲得した。BS表彰台独占、BS勢上位独占も珍しくなくなり、今シーズンからはV・ロッシもたまらずBSにスイッチ。3年ぶりのタイトル奪還にあと一歩と迫った。

 昨年のトップ3の中で、ただひとりMIで走ってきたペドロサは、第10戦ドイツGPの転倒骨折もあり、中盤戦はジリ貧。復帰した第12戦チェコGPでは「人生最悪のレース」と語る15位に終わった。このレースをきっかけに、HRCはペドロサのBSへのスイッチを決断。第13戦サンマリノGPの行われたミサノで、安武幸祐HRC常務は「メインスポンサーのレプソルとペドロサの強い要望もありタイヤを替える。ヘイデンはこれまで通りMIを使うので、ピットを分け、1スポンサー2チーム体制とする」と語った。

 翌日、ペドロサは早くもBS初テストに挑み、前日の決勝でロッシがマークしたレコードタイムをあっさりとブレイク。ペドロサ自身はもちろんのこと、ホンダのポテンシャルを見せつけた。タイトル争いは事実上ロッシで決着したが、後半戦の戦いに大きな注目が集まっている。

 MI勢が惨敗したチェコGPで行なわれたライダースミーティングの席上、ライダー全員がタイヤワンメイク化に賛成したことで、論争が巻き起こっている。選手たちが同じ条件で戦いたいと思う気持ちは理解できる。しかし、MI全盛の頃、BSの参入を喜んだのは、中堅、下位のチームと選手たちであり、実際に彼らはそのアドバンテージにあずかってきた。しかし、トップチームとライダーがBSを使ういま、そのアドバンテージは消滅した。イコールコンディションにより、上位チームとの差は広がる一方となる可能性もある。タイヤワンメイク化論争、十分に論議してもらいたい。

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